冬と春はどうして隣あうのだろう肩を並べる恐ろしいそれ
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冷たさの中ほのぬくい雨落ちてしとしと地に当たるひたひた
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音もなく降る雨さえ色づく心地きっと誰しも浮き足立って
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「左様なら」と「それじゃ」は同じことを指す どうして前者はかなしいのだろう
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ピンクより水色選ぶ女子でした かわい子ぶらない自分気取って
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祝辞中【卒業】とは、と考える さよならじゃねえ、またって言えよ
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陽の叩くいえない思いで駐車場記憶にのみ打つ柱時計
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孤独に還る傘の中、人は皆一人で生まれただ一人死ぬ
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最愛の推しが結婚する前に教えて次元の壁の超え方
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なんて気だるい昼下がり、窓際で踊るシーツとぬるいコーヒー
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一人では行動できないあの人に 怖がらなくてもいいよと言いたい
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北欧の空気みたいな公園は近所だけどいつも澄んでる
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「男性」の談義始まる だんだんと 男性たちで暖取りながら
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*子守唄歌ってくれたテノールは夢の中でも心落ち着く
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くちびるでなぞって消して流星が降ってきた日の日焼けの跡を
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さみどりの風を吹かせるストールをまとうあなたは弥生の扉
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幾度いくたびの行き逢ひ別れもありけれど 飽きこそあらね一期いちごの縁
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白雪や いかで否ばむ 日の影の思ひそむことなき露は冷ゆ
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いい加減独り歩きは飽きたでしょ、一緒に観音坂をのぼろう
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報われない君の嘆きはチグリジアみたいだ、今はただ抱きしめて
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他の誰よりロックで潔い3500万を落とす君
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ジャズの良さなんて知りたくなかったのに、耳が忘れたくないと泣く
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アセス分析せよ 利用者さんもその親も関係機関も自分自身も
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水色のクレヨンで描く画用紙にいつしか春の兆しが見えて
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何で早くやらなかったのかと自責をする230日の俺より
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その横で無音の夜は更けていく世界はいまだ炎上している
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ストローで石鹸水を吹けばもうパチン、はじけて三月がくる
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たった今ぶわりと香る濃いそれは、忘れたはずの君の残り香
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さあこれで名実ともに春が来た 一週間後せまる卒業
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一文字辛いに足せば幸せになると言えたら幾許の祥
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