「君と居るから終わりなんて来てないよ」終末時計は真夜中と一分
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にゅうよくの まえとあととに といれゆく ぜんりつせんに おやすみはない
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人間は、正しさよりも理ことわりで、動いていると知る金曜日
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肩寄せて電気ケトルの仕事ぶり見守る暇人どもの幸福
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平積みのジャンプに檸檬を置いて去る梶井ってなんかヤだよな 冬至
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靴下とアンモナイトのかたちした猫をコタツで発掘してる
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青空に涙零れる 人は人傷つけるため出会うんじゃない
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音楽を聞きたいから聞く訳じゃなく耳を塞ぐため詰めるイヤホン
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青函の汽笛を遠く聞きながら今日も生きてく雪のこの街
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お嬢ちゃんその大丈夫どっちなの、くてもいい、だめ、絶対来るな
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止まり木のない海原を渡る鳥のようなあなた 羽根休ませて
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もういない人間の影が一番濃い理由について知っていますか
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ゴミ袋一番最初に入れたもの かつておまえが寝ていたところ
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違います指輪を外しているのはね しもやけで指が腫れたからなの
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唐崎の氷吹き解く春風に松ケ根洗ふささなみぞ立つ
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春ははや逢坂山をすぎ陰に冬をとどむる関の白雪
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山里はいづくを春としら雪に色こそ紛へ梅ケ香ぞする
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難波津の葦間の氷うち解けて今を春辺と浪の花咲く
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ごみだして プラもいいのか 便乗し 植木鉢だす 勝ち馬にのる
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大量の低糖質と低脂肪そいつは多分人倫違反
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データ待ち「来週出します」先月も 来週も それをおっしゃいますか
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寒冷は潤いもなくただドライ硝子みたいだ冷たい人ね
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嬢ちゃんはマグカップ持ち湯をかけてドアミラー開けやっと帰った
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いちにどの ちがいだろうが きのうより さむさやさしい みぎもなめてね
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コナァーユキ むかしのひとも 詠じたろう ただかきことば ニュアンスでないが
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新月の染み入るような暗さには競い合うほど星が煌めく
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君がいない寂しさ紛らわすためと言い訳そえる贅沢なディナー
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僕を好きだと言う君を僕も好きになれないバグで処理落ちする
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好きなのは「忘れないで」と言ったとき「忘れないよ」と言えない真面目さ
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生命は勝手に湧いた、としておこう。事実だし恨む相手が減るし。
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