「生乾き」 あなたはそういう人だった(そうしてのら猫みたいに死ぬのね)
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眠ろうか月が鏡になる頃だ昨日のことを映す前にさ
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わたしは君が傷ついてないことを願う 私のように
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もう少しもう少しだと筆は言うリモート前のリップラインは
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人肌が恋しくって眠れない? 処方しましょう 僕を一錠
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クロゼット隅に刀が眠りおり「とお」と振ったら散れる折り紙
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どうしてか 君とは会わないべきだった もうこれ以前には 戻れないのね
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価値観の 合う君たちが 同性で ほんとによかった 終わりなき友
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どこ行った? 林檎と梨が色違いだと思ってた 無垢な心は
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「太ったの」って言う君の痩せている頃を知らない 俺は痩せたよ
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歌うなら きみは素敵なラブソング ぼくはとびきり哀しいエレジーを
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ポッカリと空いた心の穴覆う 僕が貴女の傷口になる
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通学の無人の駅のベンチ脇誰かの作った雪だるま独り
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言葉より先に溢れる私への涙の数で愛を知りたい
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外は雪。ぬくもり残した君にふわり薄桃色の林檎綿飴
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セーラー服似合いそうって冗談で言ってくる君が一番 似合ってる
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ドスドスと屋根より落つる雪の音一歩一歩の春の足音
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ぶっちゃけ ぼくは LOVE and PEACE じゃなくて愛だけでいいです
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七歳の頃に殺した蟻たちの多数決で私は地獄へ
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きみの言葉はぼくに軟着陸してぼくの知らない石を見つけた・
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せっかくの珍しい経験なのに珍しくない言葉にされる
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僕はキスさえもできない 君の「好き」が裏返えってしまうのが怖い
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耐えかねてチョコレートを口に含む たぶん生きているのだと思う
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もう明日になるというのに 意味もなく光り続ける機械と遊ぶ
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早起きし人気のドーナツ並んでも原付のオイル香ればやるせなし
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アスファルト敷き詰められた小石の白 昨日までいた人間たち
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これからはおはようさえも言えないで眠り続ける 人造人間
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ばらばらに分けたわたしを箱に詰め空っぽのからだで移り住む
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道端の花や目にした野良猫を目印にする方向音痴
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ふわふわの三角耳のあの子がいない ここにあるのはそれ以外
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