電話越し鼻歌交じりのあの人に高鳴る胸が聞こえぬように
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「助けて」とその一言が言えなくて今日も一日惰眠を謳歌
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こもる街かど知らぬ遠山の新芽に雨はやはらかに降り
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病院の老人目覚めて皐月経ち 見えて膨らむ皐月花なり
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したくない ああ したくない したくない したくないけど したくしなくちゃしたくないよお
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‪いつまでも未来のままでいたかった大人になんてなりたくなかった‬
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ほろ酔いの風さわやかに頰を撫で声かける君だいだいの色
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籠り居の身こそなぐさむここちすれさつきの朝のくれなゐの薔薇
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物言わずねむがっている退屈にあらがい向かう一人の仕事
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人生は食うにあらねど、食ひたきがために寝床を這い上がれけり。
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パレットに出すのはいつも君が起きないように過ごした夜の色
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永遠を信じてしまう夜なので恋は一種の自殺でもある
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初任給感謝を愛で返されたまだまだ私はあなたの子ども
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あのひとと電子レンジがおそろいだった ありがと¥5000ごせんのアイリスオーヤマ
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さへづりの鳥の高さに思はるる距離といふ名の甘きあこがれ
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忘れたい君の仕草もその声も涙と共に全て流して
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偽りの自分を見つめ自己嫌悪きみの隣に居たかっただけ
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オンライン授業で家がおおやけに塗れわたくしは布団を固守す
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‪削除キー連打で全部消えてほしい「褒められたい」も「きみが好きだ」も‬
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パソコンの機械仕掛けが軋む音、季節外れの虫の声かな。
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花々を行きつもどりつみつばちの羽音ものうく春闌けにけり
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花粉にも多数少数派閥あり 杉の終わりが終わりではない
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日が沈み、心もやけに落ち着いて不安なことも忘れてしまう。
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甘いもの食べる舌は旨けれど心の中ぞ苦さ激しき
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つゆほども思わぬことを壁に貼り毎朝唱える ある種の欺瞞我慢
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見栄を張った漢字ばかりの文章のなれの果てかな、この暗号は。
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目の前で何が起きても動じない心は、強いか死んでいるかだ。
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生きるとは耐えることです 土砂降りの悪意の下で傘も持たずに
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人生がゲームでないのは今までのぼうけんのしょを消せないからだ
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しみづわく みやまのいづみ おとづるれば しかのめをとが やすみをりけり
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