聖賢のふみをひらきてなるほどゝ何もさとらず二度とひらかず
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じやがいもの短册揚げて塩を振り大皿に盛るこれが極樂
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がむしやらの學友を見て夜もすがらふみをひもとく心かへりぬ
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人のゐるSNSに疲れはて空を見上げて深呼吸する
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お隣の古書店の電気が俺の頭と繋がってたらいいのに
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君のママがいて君のパパがいて君がいて僕がいる
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触れた指引っ込め合ったあの頃を馳せる掌固く繋がれ
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十年前のグーグルマップにいる犬がいまのわたしにほほえみかける
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少年が大志を抱くなら大人でもおおきな夢を持ったっていい
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どこまでも高く高く飛べ雲超えて宇宙までゆけこいのぼりたち
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零時超えても眠られぬ日々 私の器の中はまだ からっぽ
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葉を揺らし 夏の真似事 青紅葉 つられて蝶も 風を耕す
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今日だけは 無理やり寝たい 明日のため いつも時差の 生活恥じる
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本宮を終へてしづかにさとびとがにかへるころ冬がはじまる
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Twitter 私が寝るまでさえずって ブルーライトの子守唄をくれ
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何が一生物だヴィトンの裏地溶け日本の気候には合わないのか
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薄羽をとほる陽射しに刻まれるひかりの振れをめじるしにして
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初詣「良縁」のくじ引いたんだ キミと離れるなんて思わず
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十八歳世界革命夢見てた熱狂自体は罪ではなかった
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私の恋はいつまでも白線の向こう他人事みたいに眺め
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殴られて蹴られ踏まれて地を這ってそれでも僕は君が好きだよ
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明日にはと繰り返しつついる内にすでに葉ざくら惜しむ間もなし
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火にかけた鍋を忘れて數時間靜かな鍋と青ざめるわれ
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パスタ茹で油にんにく唐辛子野菜にハーブコンソメと肉
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瓦斯ガスだいのやかんラヂオに言ひ返しニュースキャスターぐつと詰まりぬ
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「帰るの?」と 何度も僕の後ろ髪を 引っ張る君を 抱いて寝る夜
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五月の日縞たぬき出で戯れり瀬を白くして流る多摩川
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子供らのバーベキューで気を使う早き流れの多摩川の岸
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改めて連ねたわが歌見返せば 何にに酔うたか恥ずべき歌なり
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雨風をしのぐ住處すみかにたべものと水ガス電氣ふとんまである
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