十五時の暮れにうつす二の腕をつつつと奔るクモに目覚める
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鬱といふ字の様相の森にゐて降りみ降らずみ霧深まりぬ
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偽りのことのはあまた誰も彼も通りすがりぬ気にも留めずに
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午後九時の飲み物は白湯ゆふらりと虚無の時間のうつりそむとき
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優しい母ちゃんと暮らす最高だいつ死んでもって思えるけども
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いつかきたる 宇宙人から人類を家族を守るため歌研ぎ詠む
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いつかきたる 宇宙人から人類を家族を守る爪を研ぐ日々
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夜運転楽しかったな水飲んで明日を夢見る緑のティーシャツ
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準備をし隙間作って共に決め応援団を生むサポートを
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ささ舟のうきよを渡るかひなくて月のまにまにたゆたふや君
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朝を裂き緊急地震速報のまねをして鳴く鳥の策略
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何ひとつ叶わなくても人生は素敵だなんて言えるだろうか
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きまじめに空白に向き合うことに耐えられなくて摂るアルコール
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懐かしい歌を何度も口ずさむ過去がよかった筈もないのに
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生活にかかわることに一つでも手をつけた日は百点満点
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休日は何をしているかと問われ自らに問う何をしている?
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ほつほつと雨しづくの音うす闇に濡れて言葉も湿りてゆきぬ
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この街を昏く包める冬の音は雨垂れといふ軒下の主
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昏く濡れ冷たく座る冬にゐて歌の灯りに手をあててをり
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シロナガスクジラが空を飛ぶ初めは雲だと思ったが本物だった。
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在りし日の姿を思い出し鏡の前でスカアト履くハムがある
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髪を切りリップの色も変えたのに君はウルトラマンばかり見る
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もったいないとか言っててもしょうがない通信料が余ってるけど
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肌涼し夏のお尻に足かけてもうクリスマスに想いを馳せる
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母の手の ひどく打ちたる我が頬に とてもよく似た真っ赤なりんご
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わたくしと半分同じ血を引いたい二十二歳とししたのいもうと
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わがいおは はなももみじもなかりけり ただ呪われたる我のみがおり
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言の葉を吹きうらかへす秋風に野辺のみどりも色変はるころ
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CDのように冷えゆくこの街でコスモスは咲く君が去っても
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こんな時 黙って隣にいてほしかった もう疲れたよパトラッシュ
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