あそこにもここにも郵便局があり 誰かに送る何かを探す
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濃紺のうこんの短冊に書く銀の文字 「リツの夢が叶いますように」/「半分青い💙」
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初ものの山女魚はフライに姿変えふたりの夕餉に整列をなす
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わがのうは ♪かぜのたにのぉ ♪なうしか〜 ♪こまってしまって ♪わんわんわわん♬ に
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わが猫らと 離ればなれの 七夕や かささぎ橋より どこでもドアを
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アマリアといふ菓子店を見つけたり 最初のA取りて おとめマリアだ
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きずついた 梅でつくった じゅーすでも にごらずできて こおりでわった
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なんやかや女の職場は大変だ 「自分が正しい」歳重としかさねるほど
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チンジャオを作ると肉が酸っぱいな メインがないぞキッチンあさ
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ひと月で保護され眠る君の夢 母猫ママが訪ねて来る日もあるの?
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水を吸い伸びる枝葉を愛でにけり 果ては果実をぐと知りつつ
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らいねんもギター弾いてねあたしのためにからだが体じゃなくなったって
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こんなにも ワクチンに来る 高齢者 いつまでやるのか 不安抱えて
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岩一つ汀近くに露はにて波来るたびに飛沫を飛ばす
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雨の日のお寺は静かで落ち着く紫陽花の花びらが雨に濡れて映える
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安物を買ひたる報い扇風機「弱」で回せど闇に煩し
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江ノ電の車窓 夕焼けが海を染め漁船が港に帰ってくるのが見える
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買ひ物に乗るばかりにてバッテリー常に不足のランプの点きぬ
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寝転んで本を読む午後のひととき扇風機の風が時々頬をかすめる
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夕日さす窓の真中に写る俺よお前は夏を楽しんでるか?
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雛の日に余命宣告一ヶ月頑張ったけど彦星となる
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絨毯を撫でつ触りつ思い出す友人宅のぬくいふわふわ
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おだやかに 忍耐強くと思うけど たまにはくずれる にんげんだもの
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モンゴルで 放牧の夢 忘られず 息子去りても 村で生き抜く
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徒歩でゆくスーパーの品目利きする見切れ品にもプライドがある
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「らんまん」の 天真爛漫 おすそ分け 一途に走る 想いに揺れる
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七夕のお歌のあとに「なると餅」今も初めて食べた感動
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父の日も 誕生日まで 飛び越えて 日々の日常 尊く思う
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夜干しも しっかり乾く この季節 梅雨が終われば 毛布も洗う
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風呂上り 汗が落ち着く までの間が 長くなりまた 夏を感じる
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