旧い絵を石膏筆で塗り潰し 見上げた頭上に消せない群青
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中庭に悪い林檎が並ぶ語の 饐えた匂いと理想の不在
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天気予報嘘をついても同じ顔 雲の向こうに動かぬ白日
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深い瀬の魚になりたい目を閉じて嘆き止まない空のことなど
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送電線踏んで歩いたさかしまに ずっと泣いてた日々の道標
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辛そうな窓辺の花と頭を垂れてわたし雨にはなれそうもない
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リノリウム見慣れたかたちのパイプ椅子とまれあなたはひとりしかいない
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哀しみを見ない振りしてそっと積む 空がだんだん青くなる
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耳朶をすきりすきりと詰るのは昇れなかった日々の足音
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苦い実が増えるばかりで手放せずこんな気持ちが愛ならいいのに
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追憶のつつじ並木を行く子らの影を辿るは花のなきがら
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きしきしと踏みしめ歩く純白を歩く先に光が見えた
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右手曲げ左肩折り首を下げ目を釣り上げて腰を沈める
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静謐の雨にらんらん花燃ゆる止めた呼吸を空に返せと
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網膜を残さず剥いでしまいたい正しい世界がうつらないなら
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あまりにも足りないものが多すぎて蛇足を言える人に惹かれる
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夕暮れに君を想って泣くことを鼻で笑った君が好きです
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喫茶店マスター黙って注ぐ水君と僕とは緊張状態
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「神様が、写ってる」と君は言う。それはハレーションだと言えない、言えない
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金のすず音なくゆらし人を呼ぶ木犀の日はしめやかに立つ
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金いろのかをりのつつむ小路には木犀のとき光りたゆたふ
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わたる風にあかるく光る秋はあり古人いにしへびとのおもひを歌ふ
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みかん五個りんご七個を買う少女教科書に載る片思い
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なんとなく「恋」ってやつは信用ならねえ だって支配欲だったりするじゃん?
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札幌のすすきのにあるラーメン屋『すすり』の麺とお肉の調和
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今日君に逢えたらいいと思うけど逢えたところで何も進まず
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静けさの中にサイレン右左紫煙が煙る午前二時
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三、二、一… ほどよくつまみが焼けたので 今日の酒歌これにて終了
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「とりあえずビールで」などとは言うまいぞ 「どうかビールを飲ませて下さい!!!!!!!!」
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小太鼓のみて閉じる傘越しの空に龍神雨を吸い込む
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