やわらかい生身を包む毛布には打ち明ける傷包み隠さず
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開ける窓吹き抜ける風纏わってすべてさらって悲しい空気
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戻れない過去を何度も回帰する私たちだけ感じる世界
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ユキという花屋の店主がおじさんで 訳ありなのかといつも思う
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疲れてるだなんて感じさせないでもっともらしい言葉で撫でる
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ごめんねと夜更かしをする心配は私ではなく観葉植物きみへの光
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ツツジ咲く 幼きわれが通り過ぐ 花をくわえて通学路往く
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やわらかい手触りのまま頭からやさしく覆い被さる地獄
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それぞれのぬくもり感じ ひっついて ねこたち・ねこ母で ベッドの半分
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思い出は取り扱いに注意して 幸せ過ぎて息の根止まる
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ながいあんよ のばしてよくよく 毛づくろい ちま猫ちゃんは ねんねまちなの
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猫を抱き YouTube観て うたた寝し 起きて食べたら 振り出しに戻る
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カレンダー 赤く数字が 躍ってる 外食頼みに 財布も赤字だ
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常夏とこなつの 心は君を もう待たず また新しい 恋を探しに 
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もろびとは産み落とされたその日から引き延ばされた臨終にある
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最近は あらゆるものの価値観が「コスパ」・「タイパ」で ふるいにかかる
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ここにいてキミが見つけてくれるなら最後の恋は愛に変わるね
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山桜・千島桜と咲き競い去年ともに見し貴女の行く方
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誰にでも 想う心が あるはずで 世界はもっと 優しくなれる
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つかれはて家事の途中でしゃがみこむ次に立ったらいっきに片す
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たへまなくなゐふるほしでみづどりにいのるうきよにながらへばやと
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かろやかに こころはいつも ひとりきり 五月の風を 受けつつ歩く
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わかってた 袋小路の恋だって 壁を越えようか?ぶっ壊そうか?
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どうせなら本の隙間に忍び込み 圧死したいね紙魚みたいにさ
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庭の隅 死んだ蜥蜴に蟻たかり 運ばれていく命だったもの
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溶け込むような夏が来た。よーいどんで夏が来た。
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引っ越しの最中 悩んだ片隅の『その他』の小箱は捨て去るべきか
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布団干し窓開け放つ五月晴れ子らの帰省にあれこれせわ
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新緑が 深緑となり 山包む 本格始動 森へと向かう/我きこり
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五月晴れ連休なんて名ばかりで掃除と子どもの世話で終わる
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