時の間に あのね、たぶんね。テトラポットに藍が溶けてる
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壇上でおられた紙を広げてく  テトラポットにならんだ、春へ
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おくすりの袋をかざす はやくこの街から出たいスタバないから。
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大丈夫と理屈ではなく意思として夜空に言えば語りだす星
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大丈夫とただ穏やかにわが内の小さな星の欠片と話す
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大丈夫といまは聞かずにいて欲しい寄り添ふ夜はただそれだけで
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涼しくて最高だぜいこの部屋はこういう至福を共有したい
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キャッチボール君の声は遠ざかり君の声は近くなる
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「働く」が掘り崩されたこの国で生き延びるには「ライフ」に軸を
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今はもう君のことだけ考える。それしか私、できることない。
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‪いつのまに気づけば「オトナ」になっていてサイコロの目は振られ続ける‬
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パレツトにとりどりの青を置きてゆく彷徨ふ気持ち静むるために
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濁り来る青のおもひを汲みたがへ闇へとつづく昏き海の絵
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あかよりもなぜあをなのや濃く薄くこころをひらく青の水平
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やがてあをは聖なる声をもちそむる空と海またゴツホの青へ
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鬱を呑む青にひつそり包まれて眠りてしまふ沈静の底
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オオカゼガマチガイナシニチカヅクとまじない文様浮かぶ天気図
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ゼクシィを仮想敵とし毒づいてこの不自由な自由を呪う
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忘れもの独りもどりて巻きもどる母を見るなり泣きだした朝
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恥ずかしいことと感じて言えないと思うところに核心はある
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月かげの白く照らせる頬杖の雲のはたての人を恋ひつつ
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午後六時ユーチューブに飛び込もうあれこれあるからネットでもいい
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心のね穴を埋める為家でただひたすらにユーチューブ観る
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落としものさがしてあちらこちらへと後ろへ向かふ時間の小路
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さみしくて電話をしたの君にだけ でないでいいよ気にして欲しい
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野分吹き窓はかたかた音がする あなたの部屋へ逃げていきたい
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みづ玉は円く長くと変はりゆくかたちの消ゆる時間のかたち
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かたち無き存在ゆゑに時をもちゆるやかにみづは追いこみて来る
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みづ玉はぱぴぷぺぽつと落ちてゆくはるかかなたのうたかたおもひ
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iPhoneのレンズが緻密でも星空はずっと写らなくていい
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