満足は 明日になれば 幻に 飢えて乾いて 彷徨い歩く
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十分な 恵みを受けて さらになお 求めて止まぬ 人の本性
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他人から 称賛受ける 快感を 求めて止まぬ 人の本性
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トゲナミダまあるく舞台にくるむごと電気仕掛けの六花りっか降る降る
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傘たたみ少しふるって水気切り傘立て入れたら抱きしめていい?
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陽のあたるリビングの位置に祖父がいてのんびりゆっくりカピバラになる
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この庭の蝶が夜明けをめくり上げ抜け出せぬことを知る秋の朝
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「さむいね」と冷たい指で頰あてる君でいっぱい秋の体積
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俺のこと見ないふりするお前らの代わりに俺がじろり見てやる
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ドライヤー君の黒髪毛先には微かな色抜け夏を揺曳トレース
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真っ暗な部屋の真ん中で横たわり ブルーライトを浴びているだけ
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きみがおやすみと言ったから 今日はもうお終いにしてまた明日あした会いましょう
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聖人の一断よりも千人の愚論を そういう賭けだったはず
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愚かなる 妻と住まいて 老いるうち 愚かな自分 情けないほど
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不幸だと 嘆きて一人 悲しめば 他人はそれほど 気にもしないが
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彷徨いて 他人の生活 知りてなお 違いは無きに 等しきようだ
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名も知らぬ 少年だけが 挨拶し この国たるや 武士の気高さ
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淋しきは 人の一生 終わる前 誰も近寄り 話もされず
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日の出撮り 秋の風月 撮りまくり 最後に撮った 日没までを
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ポケットに カメラを入れて 立ち止まり 花鳥風月 収めて帰る
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秋の日の 美しき事 夢のよう 人の作りし 醜き物よ
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秋の日に 歩きて巡り 栗拾い 果実を拾いて 名前も知らず
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秋の日に 土手を廻りて 溝に落ち 片目が見えぬ 老いは迫りて
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ピヨちゃんがいない鳥籠にも慣れた 寒空に光る月を見てるよ
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形容詞、動詞、副詞も入れない 主格が二つあるだけの部屋
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野良猫だって僕ほど孤独じゃないだろう温みを抱えまた雨に濡れ
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非常口 いつもいる彼 その先に何があるのか、逃げてみようか。
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これでって指で囲んだシブースト。りんごのケーキとも呼べなくて
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部屋の隅の 埃のような 言葉など 全然要らない 僕を見てくれ
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君に馳せる 心を僕は 隠せない それでも君は 気付かないだろ?
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