やらなきゃと焦る気持ちとうらはらに 身体はのんびり 休日の朝
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紫陽花の写真きれいと送る君 深い意味などないと信じる
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尾を振りて鋭角ゆ来し顎下を撫ぜ外宇宙へとまた骨投ぐ
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「生きているだけで疲れるのにさらに生きるためには働けなんて」
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誕生日はきみの香水がほしいです 香りだけでも一緒になりたい
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110かぁ」 サイズアウトが早すぎて でも嬉しくて また夏が来る
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君の背はいかだのように頑丈で乗ったりゆすったりして遊ぶ
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夏空に梅の豪雨をかけて食む 君の横顔と弾ける花火
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ループラインが半時止まる、社会の歯車が砂を噛んだので
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「マルクスに怒られちゃうな」とごちながらせっせと残業する労働者
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古今千年の歌集に焚きしめられたフェネチルアミンの薫
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現し身の安息角を見失い辺縁系より零れることば
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おまえの血が赤い限り過ぎゆくもの全て透明にはならない
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玄関を開けて溶ける!と言い閉める 夏季限定のドラキュラボディ
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帰り着く四畳半、戸の鈴止んでナザレのイエスはひとりで死んだ
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みんなそれぞれに病気と思っても年金が出るのはごく一部
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明後日の海の色には何色の鎖と包帯まいて進もう
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視力検査存在見えても欠け見えず
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あと5分…二度寝の隙に滅亡し 発掘される私と目覚まし
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灰色の瓦礫にのぞくぬいぐるみ 地震じゃないぞと告げ行く戦車
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捨てられて波にもまれたガラスたち 私もなるよまあるくカラフル
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君がため夏の夜に出でて場所をとる 頭上に眩しい大輪の花
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マウンドの シルエットだけで 恋をした 西日があたる 十五の夏
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強い言葉でいうならば死であるがそうでないなら淡雪だった
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雪のこと「六花」と呼ぶと教わった物知りだった初恋の人
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だきよせた瞬間潮のかおりしてきみの髪からはじまるよ、夏
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ビジョンとかないけどぼくに職をくれがんばってるよがんばるからさ
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煌々と響けわたしの嗚咽ぶん真夜中過ぎ精密採点
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翅なんて生えてもすぐに飽きるしねえ……と夢に出てきた天使が言った
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寝汗かく子をうちわで仰いでやる すっぱいにおい 君は酢飯か
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