録画予約 四度確かめ 信じたよ 時間ズレたのよ 録れてて、お願い
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好きな子に ラインを送り 三時間 イタズラをする公式ライン
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この腹の 虫も子宮も 欠陥も 全部トイレへ 流れてしまえ
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忘られたアサガオの鉢軒下に今年の夏が転がっている
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ノートにはてんでバラバラ短歌うた並ぶ 5・7だけとか7・7だけとか
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この人の名前忘れたでも解る!だって知ってる匂いがするもん
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幼子おさなごの笑う写真を見て七度 深呼吸する口角上げて
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いつの間に私の中に棲んでいるあなたが胸の半分以上に
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スマホのカメラロールを繰りながら走馬灯の予告編を見てる
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「好きです」と言うのを少し我慢する厚みが増して「大」が付くまで
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バスだけは誰かの都合でのろのろと電車達よりきっと優しい
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夫婦とは 老いても愛し 支え合う そんな甘くは ございませんぜ
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脳みそを ほじる気ですか お医者様 綿棒挿されコロナ陽性
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病院に 行けば行くほど 呪われる 医療中毒 重度な依存
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小走りに 小雨の中を 駆け抜けて まだまだいける 65歳
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人生は 歳を取るだけ 生活が 楽になるとか 誤解をしてた
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老人よ 見捨てられたり しないよう 歯を食いしばり 働きましょう
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永遠をふたりで誓う時すらもこっち見ないでRTA
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今日の午後 雨は上がると 聞いてたが 小雨に濡れて 職安通い
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年金に 頼って無為に 生きるより 額に汗して 地を耕せば
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一つ落ち 二つ落ちたら 三つ落ち 四つ落ちても 職安がある
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生きるのに プライドなんて いるものか ただひたすらに 地面を舐めよ
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今日も行く 明日も通う 職安の 常連になり 惨めなもんだ
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曇天の 街は木枯れて この色を 地味な一日ひとひの 象徴と呼ぶ
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身と心 底なし沼に 落ちていく い上がれば 其処そこはまた闇
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「みんなそう」 「誰もそう」とは 思いつつ 弱い心は 「なぜ私だけ?」
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助走つけ遠くへ飛んでいきたいな 悲しみの向こうさみしさの向こう
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何しても上手くいかない一日を長男からのLINEが良い日に変える
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病院のそばに葬儀屋頷ける 寺社門前のラブホは如何に
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走馬灯じみた思い出蹴散らして死なないための軌跡を描く
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