戻りたい道は遠くて近いから 草取りしよう雨も上がった
8
平屋建て三部屋程の借家にてリクガメ愛でる少年のひざ
22
戦争の哀しみ色の写真には 一文字の口若き日の母
15
保護よりも質素倹約していてもとても豊かな毎日と言う
12
戦時中母の作りし飛行機で 散った人あり空の青さよ
13
夏に飲む 冷たい麦茶 美味しくて なくなる速さ ジュースを超える
9
これあげる使わないから君の言う使わないだけ嘘ついている
16
ハンバーグ作る予定なかったのに癖で作った あなたの好物
9
夏休み初日のきみに十年後母は死ぬぞと耳打ちしたい
8
結婚の 夢を見ないで 私見て 同じ気持ちじゃ ないと気づいて
9
好きなんて 滑らしちゃって 取り消せない これが最後に なってしまうな
5
鼻を刺す退屈に脳を焼かれてはモナリザ•スマイル 人生にアリア
9
小銭とかテレカ懐かしふりをして 架ける相手はいなかったんだよ😢
8
おいで、いま君だけに海を開けたから つまさきも目も青にひたして
11
我が脱ぎし衣服の上に寝始めたもふもふいとし私の子ども
13
小銭「いと」懐かしきかな 電話だけに(笑)テレホンカードも猫柄いとしみ(潤間ぼへ様)
8
祖母の知る孫はメロン派伝え聞く掃除駄賃のスイカ齧りつ
6
子の帰省 洗濯物が 賑やかに 肩寄せ合ひて 風に吹かれし
38
雨露の葉の葉脈に添うように歩く姿のてんとう虫よ
15
周りから見たら私は陽キャラで、本当の私は違うのに。
8
度が強い眼鏡をかけて見る世界あなたが私を見ている世界
8
颯爽と推進力を与えられ水や炎を駆け抜ける生
5
鳴くことが規定されにし鳥でしてそれ以外には死ぬことすらも
4
暇なので明日の朝には爆弾をそして午後には身支度をする
4
住み慣れた経年劣化の最果てに後ろめたくも見出す美学
7
アスファルト落ちた涙が染みになり私が生きて消えてく季節
6
つらい日々過ごすことさえままならずなのに涙がひとつも出ない
7
宵酌をやめて得られる血流と引き換えにした心の水辺
5
連絡の無いことそれがよい便りらしき誰かの届かない声
5
可も不可も大きな事も無き日々にそうしていずれしらりと消える
4