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念ずれば叶うのならばわたくしの祈ったことが事実となろう
1
病室の窓は額縁 青と白 夏は褪せゆき秋は染めゆく
2
しっかりとした眠りから覚めたならなんてクリアなクリアな世界
0
食事するその一口目、口内がキューッとしまる これが「おいしい」
1
しずやかな所作で私の手をとってジアゼパムとはやさしいお方
0
空のあお海のあをとが響きあい青い花だけ知ってる秘密
1
「ギョロついていないでしょうか、私の目」透明なまま世界を見たい
2
愛の名の下に無理強いしないのが薄情ならば薄情でいい
2
悔恨に胸みつるとき ひとさしの 煙草に灼けし 哀したましい
2
きゅうりに味噌をつけて 一杯やる これは親父の受け売りだぁ
3
オウムガイ月夜の海に浮かび
出
(
い
)
で歌いかけるよ浜の二人に
2
夏目漱石の「こころ」がだいすきな奴らばっかり集まる部室
2
これだから 「メンズノンノ」という文字は。
彡
(
「杉」の右側
)
じゃないんだから。
2
幸せを覚え己に釘を刺す 「夢になったらいけねぇから」と
1
名前を書いては消してが減った分 徒らに想う夜が増えた
3
夕寝覚め 通知のないスマホは言う 「君がなくとも世界は回る」
3
あの人はあの角曲がってくることがわかる
10
分早起きの朝
3
懐古してほっこりするにはあまりにも僕の青春グロテスクだな
2
【きみがもし【来世でコインロッカーや【ポカリになつても【見つけてやるから【
7
フロントの霜にスキと書いて消しキライキライと書いてまた消し
3
イブの夜のホテルのロビーはサンゴ礁恋する魚が群れて泳いで
2
みんなからひかりをもらうしあわせなわたしもだれか だれかのひかり
5
こだまする 百年を経て タゴールの春の
歓喜
(
よろこび
)
私の真夏
3
句も歌も私の中に降ってきてひとつひとつを書架に飾るの
2
昨晩の夢に出てきた真赤なるアジサイを、ねぇ、いただけますか。
1
伊右衛門のペットボトルの底にある「おおきに」の文字 キャップを開けた
2
昨晩のコードブルーの方の部屋なんで空っぽ 黙礼ひとつ
2
三週間ぶりに飲んだコーヒーの香りの強さ 八月二十日
1
六月に亡くした臓器 そのばしょにきっとなにかがやどっているの
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心臓も脳も手足も動いてて「生きる」を思う八月の我
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