この春も咲き散り終へし桜木に 名残惜しむや残花一輪
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花びらは玄関扉に貼り付いてわたしに春を知らせて尽きる
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川風に身をふるわせて花は散り 芽吹く翠に座をあけわたし
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葉桜は興ざめなりと人の言ふ そはそれなりの見方ありなむ
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焦るほど 鞄を泳ぐ小銭入れ 旅先のバス 整理券どこ?
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高速で過ぎゆく階層傍らに 隣のビルの驚く目と合う/『落下』
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磨かれて石と見まごう光る床 重みで軋む音で木と知る
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何百何千何万回の共同作業を重ね 同じものふうふになっていく
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食卓に夫と我ふたり力作の飯並ぶ嬉しさ
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川べりの桜を愛でに集いてし友の笑顔はあたい千金
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冬に眠る生命いのちを目覚めさせんとや 春の雷神天を翔けたり /春雷
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振り向いた名前で呼んで餌をやる昨日はヒロシだった野良猫
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人生は重き荷を負う旅と言う人にはキャリーバッグを勧める
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風に散る花びら 黒湯温泉に 浮かびて そっと手で掬いけり
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たやすさを 選ばぬ心 ひとしずく 誠を映す 善のココロ
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燗冷まし手相を眺むつくづくと運命線は太く延びたり
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親指のつけ根が痛むまだ親にスマホ代さえ払わせている
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マンションの共有部分でいぬが鳴き見せしめとして倒された二輪
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砂混じり春の暴風に人が吸い込まれ消える春の嵐
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花が散り 人も散り散り 花筏 花も若葉も ただ淡々と
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気取られず 後ろ上段回し蹴り 壁で踏み切りドロップキック
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反射してかたち現す 粒と波 全て飲み込み平穏を得る/「黒」
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冷蔵庫 杏仁豆腐がひとこと「負けるもんか」と プリンに語りかけ
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Xには少し恥ずかしくて投げられない 言葉の行き場はいつもUtakata
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むしゃくしゃを理由に罪は犯されて君のスマホは新しくなる
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しようもなく生きるのクロッカス咲いた日にここから出ていくため
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話す前 一瞬チラ見の 先方確認 僕は知ってる  君の一旦停止
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鳥の声 風の囁き 花の色 心の波動 春を取り込む
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空白は埋めないでおく ひらめきが孔雀になって飛んでくるから
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胸の内 勝手に占拠 キャパオーバー 好きな人より 嫌いな奴が
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