すぐそこに 梅雨の足音聞こえてる 君に似合うは虹色の傘
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路地裏の隅で煙草の火を貰う私に誰も気づいていない
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目の前のえものと交錯した目線あいつもなにか撃とうとしたの
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今日だけは今日をあきらめたくはない前傾姿勢のままうとうとと
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愛らしい切手を見つけ、思うこと あなたを思い出せる幸福
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足おそき人にうまれて雨乞ひのダンスを踊る大会前夜
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片想い実ったことはないからね棺は早めに用意しててね
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給食のきゅうりをのこす九歳は急進的な球児でもある
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波飛沫 負けないくらい 叫んでる 抗うことが 君にはあるか
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猫さんが脚絡みつく糸を引きあんたいったい何がしたいの
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怒りとは 自分自身を 焼き尽くす 深呼吸して 去る時を待つ
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思い出す夏で火傷をしないようずっととなりで名前を呼んで
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熱湯や お肉飛び込む つゆの音 ごまだれ浸かる しゃぶしゃぶ愛し
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いつかまたきっとどこかで逢えるから どこでもドア は必要ないよ
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哀しみを 怒りに替えて放ったら どうなるんだろ ヒトじゃないか
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ドラえもん タイムマシンを貸してくれ 行かなきゃいけないところがあるんだ
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青色のつめたいものを見つけては炎のことを否定している
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レントゲン画像にうつる良心や偽善ごちゃごちゃ…「はい、異常なし」
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頑なにうなじみせないきみだけど 一度だけみえた、蝶々のタトゥー
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「ともだちになろうよ」なんて言えないのこれが目指してた大人なんだよ
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マイナンバー、次から次から、まいったナンバー、まだまだ遠い、デジタル国家
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実家の鍵キィ ぶら下げてある 四星球 一個だけでは 神龍呼べぬか
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何もない 俺に光をくれたから 失くしたあとが 耐え難い闇
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他人事、いつかは、きっと自分事、 生き抜く知恵です、危機管理能力
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彼女から一緒にサボろと誘われて社食で過ごす時間の尊さ
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育ってく梅の実を見るもう時期で母リタイアだどうすればいい
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あの恋を原稿用紙につづったら 私の想いは完結しますか
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向かい側駅のホームに君を見る すれ違ってくふたりの時間
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パート終えひとりコーヒー飲みながら Utakataのぞく至極の時間
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学生さん 何度も何度も 振り返る 君の視線の先にはなにが?
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