あなた宛て 問いかけるのは 本心が 経緯が 動機が 知りたいだけで
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日傘差し歩く神社の杜に舞う桜吹雪は初夏の風に乗り
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温かく柔らかな父の頭に ふわり触れらる 車椅子なら
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快晴とベランダ黄色のチューリップ さくらころころ 金曜の朝
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雨上がり 小鳥はなんだか 忙しそう これからなにする わたしは仕事
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コロナ禍を経て口伝の継承は神話絵巻の大行列に
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やらせなく 生きていきたい 自他ともに 嫌いになりたい わけじゃないんだ
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苦手でも 時折、人に ふれたくて きっと自分の 生存確認
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「君」と呼ぶ ことも躊躇う 距離だから もう「あの人」に なってしまった
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買ってきたロイヤルブレットシール無し 雨中の買い物二重の不運よ
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ほんとうにいきたいばしょはどこなのか わからぬままにさまよいあるく
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契約を守らぬ同士のいざこざが 無限に続く広場で遊ぶ
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あまりにも私服の友がダサ過ぎて ならんで歩くことができない
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井のなかに居づらさのあるものだけが 外の景色を夢で見ている
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なにもかも笑い話にする俺に 泣きたい時もあると言うキミ
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雨降られ たたむの面倒我慢する 折りたたみ傘はただのお守り
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こだわりのお店の味がいまひとつ こだわったのは店の内装
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娘から 今日は何の日 何だっけ 何もうかばず 何!?バースデー!!
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春吹いて 知れず彩る 芥子の花 桜の影に 散らす花びら
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シニア猫 いつしか齢 追い越され それでも我が子 いつまでも娘
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春暖に 見合わぬ寒さ 感じては まだあるこたつで 惰眠むさぼる
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「あたしキレイ!」無邪気に胸張る桃の花 ふっくらくっきり元気いっぱい 
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こんがりと焼いたトースト薄茶色 カフェオレとともに朝の口福しあわせ
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よき陽射し ねこたちお行儀よく並び おそとながめて「にゃるそっく」中
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曇り空 からの雨粒 しとしとと カラカラの土 のどを潤す
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口もとの ブルーラインが お気に入り 白いマグカップ 珈琲たっぷり
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支度するキミを待つうち寝てしまい 気づけば夕方横に寝るキミ
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伐採を拒みし庭の源平桃はなももは今や自慢の春の紅白
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ママチャリのうしろにキミを乗せて漕ぐ 夕日に染まる坂を立ち漕ぎ
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無視するか卑屈になるか誇れるかみんなだれかの二世三世
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