触りたいあなたが見つけてくれたから翼がはえたのあたし、運んで
3
六月が逃げてくかわりに七月は泣いてるわたしの頭を撫でた
7
脈釣りの脈どころ其は脈絡と脈取るゆびの脈波をむすぶ
1
たくさんのタラレバの上で生きている 今の私と盃交わす
5
肌寒い朝はあの日を思い出す 準備で早起きした文化祭
2
苦しくて 裸足で逃げて 行き場なく 迷子のわたし 待つ白うさぎ
3
起き上がる 気力なくして 横たわる 深い深い 海底で眠れ
4
例えるなら 怪盗キッド 僕の心を 盗んで去った 盗賊は「君」
7
会いたいと 口に出さずに 訴える 瞳に映る 僕を見つめる
7
網戸の 隙間すきまに飛んで 入る虫、 キンチョールにて 👼昇 天 🙏合 掌
8
サイレンサー不可能だったフルートは「ロブクー」と言う電子化を出す
5
こんなにも彼を愛せた私だし 逆に言ったら幸せな人生
7
肝心な 親友には 肝心な 事柄は 言えないジレンマ
7
日曜日は 俺の生き様だすからさ 笑って観てて お腹の君も 
5
この先も ずっと君らを想ってる ただ幸せに なってください
5
靴下の破れる位置が最近さ 親指先から踵に変わって
4
君にしか わからないことだらけでも 俺ならわかる こともあるから。
5
玄関に 巡る季節に 挿す造花 紫陽花忘れ 明日は文月
11
夜なのに暮れない空の夕焼けは異邦のぼくをしずかに包む
6
青ならば 何でも吐いて。受けとめる 傷の舐め合い それでもいいさ
5
さみしさを少しもらって空にいるおばあちゃんとお母さん
8
玄関に少年らの靴埋めつくす 家じゅう広がるすっぱいニオイ
5
是か非かを決める会議の休憩に睨むシマウマ柄のハンカチ
5
お布団をかけると暑い無いと寒いそんな感じでいいよ君とは
6
夕暮れを寂しいと言う義姉に聞く兄の病状深刻なりや
11
この一瞬ときは ソーダのごとく 泡となり 人は記憶を 組み立てている
24
君なんかいなきゃいいのに しあわせでなくとも僕が僕でいられた
7
真夏日に御堂の内はひんやりと虚空を睨む阿修羅はしづか
8
ぐるぐると喉を鳴らして目を瞑るブラッシングに老いたる猫は
6
あたたかい羊を数えるつかまえる眠れないまま朝をむかえる
6