今年なら「穴子だよ」って堂々と出せる価格や土用丑の日
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盛り上がる今日より先に手に入れた穴子を出して土用丑の日
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煮浸しの甘長とうがらしの先 齧りて流るつゆの琥珀色
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人はなぜ毎日食べてねむるのか こんな問答孫としてみん
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ウミガメと一緒に泳げたことよりも喜ぶ君の笑顔が嬉しい
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『秋桜』は母が好むので 歌います ずいぶん若い時分の作品
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新聞やチラシに ねこは きょうみある カラフルなインク きらきらひかるよ
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餌もらうさくらねこほど気にかける人を持たない空白のぼく
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投げかけた「閉会式をしなくちゃ」の言葉は未だに宙を彷徨い
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真相を突き止めたとて真っ白な夏と私がここにいるだけ
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支配欲 いつから恋のふりをした?あなたと蝉が頭に響いて
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恋されて応えるように揺れたとて 私もあなたも恋じゃなかった
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満員の 電車吐き出す 人混みは 綺羅星のよう 輝く戦士
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犬を食う人に対して犬を食う人と呼ぶのは辞めよう 俺も
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物言わぬ植物ゆえに粗大ゴミに出される 鉄骨は組まれていく
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女たらしの太宰はあまり好まぬが 「津軽」のラストに涙ぐむ俺
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五右衛門の子孫だろうか啄木は悪いヤツだし短歌旨いし
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大相撲ハラハラ勝負の凪の間の浴衣姿は意匠の涼し
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盆帰りふるさと今の街に在り帰る場所なきそれも寂しや
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放哉に憧れ歌を詠み始め真夏にひとり咳をしてみる/題『歌人』
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メカニック描けば途端に筆狂う大藪晴彦作品よ/題『作家』
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食い逃げのモデル実は啄木か?放蕩三昧無頼ゆえに/題『歌人』
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猟奇趣味いかがわしさに身が震えそれを愉しむ江戸川乱歩/題『作家』
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太宰ってめっちゃモテてるその実はめっちゃ勝ち組めっちゃ羨望/題『作家』
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五寸釘ひとり畳に釘を刺す丑三つ時に迷惑なハコ/題『歌手』
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長い歌カラオケ顰蹙買いますよさだまさしのやつはだいたい/題『歌手』
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始発は大混雑、✈️の方おおし、夏休み、いいなぁ
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売店で熊鈴買ひしハイカーが 木洩れ日揺るる上高地往く
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明け方に かまちょで起こされ ねこを抱き いつもの体温 機嫌も上々(ホッ)
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口角に残っただけの笑み残しどうせなら恥 楽しめよ俺
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