知られたい鬱屈うっくつ隠し普通のフリ 嫌忌けんきを恐れ周囲に線を引く
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花も葉も毒でちても根は良いと聞いて信じられるとでも思うの
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地割れのように裂けた心に降る涙雨 傷の隙間浸されうず
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触れたなら運命の糸は絡みつきあがくほどに深く縛られ
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触れたならぬいぐるみと目が合うのあたしだけしかいない部屋で
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もういっそぜんぶまるっと手放してわたしは貴方の犬になりたい
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腹巻きとモコモコ靴下 手放せぬ 冷えに冷えたる週末となり
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こばらすいた ねことの攻防 疲れ果て ねこ母お昼は コンポタおかゆ
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真間川を遡ること一時間 手児奈を祀るやしろで厠
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嘴を羽にくるんで丸くなり じゅんさい池の鴨は昼寝で
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冬枯れのじゅんさい池に鴨浮いて なにやらついばむ弱い何かを
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料理家は七十五歳でギター始める四十路での新世界にも勇気をくれる
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壊れ散る感情の破片 元通り目指し何度でも繋いで生きて
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食べぬのにバレンタインにチョコくれと。父にもっとあげればよかった
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無情な世恨む執念手放せず笑顔も忘れ枯れきった心
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鉛の夜煙草をふかし髪の毛ジリッと焼いてみた 生きていた
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早朝から偉業成し得た優越感 シーツを洗ってただ干しただけ
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寒雀北風吹けば電線に身を寄せ合い羽毛ふくらませ
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寒に入りしみり餅作ると夕暮れに水に浸せし餅を軒先に吊す
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この寒さ日本海側は大雪に三国山脈やま越え関東は晴れ
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この冬の御神渡おみわたりいかにと諏訪湖では 神主気が揉め今朝も見に行く
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お隣も雪掻き疲れ声かけて休めば落雪音に驚く
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眼をつむり目頭つまんで下を向くきちきち守る目薬のあと
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引っ越しで 会社帰りに 女房に聞く 今日はどこに 帰ればいいのか/引っ越し8回目の時
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ピンポンと インターホンが 鳴った 運送屋さん? ウンそうや(運送屋)
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寒中に羽黒の山伏勧進に法螺貝ひびかせお札配り行く
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電話機に 想いで詰めて 解約を 嬉しい辛い 共に歩んだ
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君子蘭笹竹切りて霜除けに霜は降らねど笹の葉唄ふ
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真冬パジャマしばらく着ておくことにする チビ猫がえらい気に入ったみたい
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福クッキー みんなに福を呼んでこい パン屋のだけど 弁天様かな(レジにはかわいい宝船おいてあった)
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