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薄にて溢れる涙絶えぬとも 過ぎ去りし時ただ眠るのみ
6
どこまでが昨日でどこが今日なのか 夜闇に溶けた小道を行きつつ
14
クレープが焼けぬようにと願うのは まだ二人帰りたくないから
13
滑舌がめちゃくちゃ悪いおっさんの「金貸してくれ」だけ聞き取れた
19
遺書書いて自殺しようと決めたのに屋上のドア鍵かかってた
14
始まりは嘘だったかもしれないがここまでの道のりは真実
12
大谷の芸術ごときホームラン響く快音耳に留め置く
27
傘の中滲む視界に出た弱音雨は優しくかき消してゆく
24
一日は君がいないとはじまらない心肺停止の片耳イヤホン
9
あの日さえ離れてくれぬこの思い抱えて歩く枯野の草を
8
中3の夏に立ち寄る図書室の唐詩選から大河が流れ
9
事
(
こと
)
もなく行く日の暮れの窓外を音無く過ぎる赤い閃光
6
灼かれると知っているのか?夕暮れの蛍光灯に飛び込む虫よ
11
茜色外骨格の君を焼き外を剥き取り本質を得る
11
生き急ぐ心に拍車をかけにけり金銀木犀今年も香る
9
水は嫌、餌も要らぬと吠え続け 焼き芋だけはモリモリ食べた /今週の愛犬「好物」
17
ぬばたまのぬばとはなにぞ コンビニでパン買う黒人よ教えてくれ
5
日曜の夜の憂鬱は歳経ても サラリーマンの持病であるよ
18
唇に甘しクリーム 笑う母 糖尿だけど 今日は誕生日
16
突然の メールはヘッド ハンターで 話を聞くか 悩みし夜を
22
ただ「生きる」その一言が難しく段差越えても迫りくる壁
12
吹く風に秋の深まり感ず
夜
(
よ
)
は合いの布団の温さが嬉し
21
自制せど炭水化物祭なり サンドにお稲荷ラーメンまで食べ
18
耳残る幼子たちの駆ける足 新幹線でノイキャン入れる
12
入るなり目尻をぬぐう床の母 愛なお負けぬ記憶の病
23
好きよりも嫌いの方が一瞬で伝わるなんてせつないですね
31
テーブルの下でまんまる
眼
(
まなこ
)
してキラキラ期待猫缶はぁ⋯ない⋯
17
BGMヒア・ゼア・アンド・エブリウェア部屋の掃除す日曜の午後
6
金木犀
仄
(
ほの
)
かに 秋の露天風呂 友を誘ひて 語らふ休日
27
湯気のぼる油の香りとメンチカツ箸をいれると汁が弾ける
15
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