二人して 十勝岳ゆく 登山道 記念の写真 のみ撮り 下山
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水涸れの 草の川原に 降りていく 陽炎の道の下 ふと消えゆく人
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あきよかぜ きのうふかれた このみゆえ ひるのあつさも だれかの執着
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ねこたちの日向ぼっこの陽射し加減 おひるをすこし早めにする日
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初物の種無し柿を買いました 皮をむくのが面倒であります
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変わり目のつらい体でゆく我を「お先に」と追い越す赤とんぼ
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上辺だけ 取り繕っても スカスカの くるみのように 意味なんかない
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燃ゆる日を囁くように夏草が小径こみちを覆う川原の夕暮れ
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長袖にまた袖とおす秋の日につぎの季節のたのしみさがす
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傷つけぬように慎重に堀進む化石発掘の如き芋掘り
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棚田しづもや袖に宿すらむ姨捨山の秋の月影
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菅原や伏見の里に月冴えて生駒のたけを渡るかりがね
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嫁ぐ娘、さびしいやら、うれしいわかれか神無月
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お笑いLIVE感、肉声、観客との旬殺、うまさ感服👍
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朝電車、🈵若い方、おしゃべりぱなし、もうコロナ忘れて
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地方から都市へと帰る鈍行の 揺れに慣れた自分を殺したい
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箸でパンつついて食っているひとに齧れば楽と言えど齧らず
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真夜中の背徳おやつ せめてもの ドライフルーツナッツにしてみる
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お昼寝という贅沢その後に頭痛が続く そういうもんか
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君に告ぐ 一言すらも 出てこない 溢れる涙 冷たくなって
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空があまりに青いからみんな見ていない今のうちに口づけを
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失敗し 火傷した指ヒリヒリと  前の時間を 思い出させる
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私の手握りかえしてくれるけど心はあの子きらめく星よ
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空差しておどけて涙、ごまかしたキミを攫うね宇宙人です。
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心臓の 余震でさえも驚いて あなたは今日も どきどきしてる
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「滲み画」の手ほどきうける秋の夜の上手くはいかぬが不思議な時間
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死にたいと言いながら生きあまつさえ子まで生す人、割とよく見る
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光あれ 決して交わることのない私と君の道に祈りを
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夕方から落ち着きなかった ちま猫が おかあちゃんとは ふつうに添い寝
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ひとくちだけ試してみた酒 合わなくて 目がまわるなり もう明日やめとこ
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