わかりあう日など来ないよ別々の道を行くんだ金は返すよ
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うまれた日 こんな生き方でよかったと 空に放った花束を想う
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裏庭の声の主たち涼を呼ぶほんのお礼の胡瓜供える
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夜の蜘蛛殺すでないと在りし母言い残し逝く 目の前の蜘蛛
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街路樹の 真下に 黄色の葉が積もる 砂時計のよに 逆さにしたい
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若い頃 君と聴いてた あの曲も 今でも彼は 変わらず歌う 
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目指すのは一日一句詠む事と無駄な時間を過ごさない事
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友からの愚痴の電話を終えた後夜長の秋にトマトジャム煮る
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正確な目覚ましに起きスイッチオンこの秋初の新米を炊く
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禅坊主 若い頃から憧れど 痛いだろうな股関節脱臼ざぜんのけっか
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知らぬようだけど女の友情は物騒なのよ 思い知ってね
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やわらかく甘い交歓を守るの だからお前に容赦はしない
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テレビから流れる〝真夏の果実〟聴き、泣いちゃう程度は君が好きだよ。
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▶の詩◀の詩も皆全てその人らしい彩りがある
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摘みたがる人を幾重にも切り裂くあなたの茨になってあげるわ
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いまわたしあなたにあげたくないものはなにもないのよ ね、ほしがって
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わたしたちの間に通う透明な同じ温度のあかるい血潮
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日の入りが五時半前の次の日が真夏日とかは信じたくない
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安打王 追放の咎 戻れざり 天の球場フィールド せめて彼招け
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黒視点 ひたすら示し ついに尽く 山藤翁よ まだ描き足らずや
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米などを買い溜めしていた爺さんは勿論マスクも買い溜めしていた
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感情はこころいろどる模様かな よろこび哀しみ 引きつれてゆく
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吾子からの人生最初の「ごめんね」は、「(ママの牛肉食べて)ごめんね」
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しあはせを見せつけられてしまっては ゆくあてなくて夜半にあくがる
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キリストの 凄さを知れば もう少し いい人になり いい国になり
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威張ってる 先生方が おらぬよう なりはしないか 神様頼み
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目の奥に青い花降り積もったのならさようならの合図です
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草一つ 生えぬ畑を 望むよう 言うこと聞かぬ 子らは根絶やし
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心無い 人が傷つけ 踏みつける 幼い若葉 ずたずたになり
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マニュアルに 従うだけで 人間が 成長すると 思う人あり
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