仕事中 良い句浮かぶもメモ取れず 帰りの電車 アレなんだっけ?
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初恋の人の名前の果物に 罪悪添えてフォークさしこむ
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夕立に揺れる紫陽花の語るには 前世で泣かせた人の涙とか
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もう梅雨か 外も雨降り 泣いている 私の心も マイナス思考
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三年間通った君の街の端 思い出咲かぬ店を探して
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朋友ともの子にアイスを贈り二度寝した お誕生日はひと月後だけど>サーティワン
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昨夜飲んだGABAが今更効いてきて希望のようなそうでないような
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君のためになるから言ってるかどうかは私が決める ためになってない
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ふさふさの羽毛を揺らす翁草兄は白髪バッサと刈りし
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「嘘をつくことは罪」だと言うのなら お前が嫌いと素直に言おうか?
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暗がりでスマホの画面を眺めてるただ眺めてる職場の隅で
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何という事もなき日を特別にしてゆくための歌を書いている
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死にたいと言うけど本当は生きたいし、なんならもっと幸せになりたい。
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おやすみと 囁きそっと 終話する 君の寝息で 僕も夢へと
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腕を噛み、手首に刃を当て、首を絞め、頬を叩いて――本当はやめたい。
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水溜まり 落ちた木の葉が 舵を取り ゆくえはどこか 風の吹くまま
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皿包み新聞紙ふと日付見る今は亡き父誕生日なり
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リスボンで見初めし花木かぼくジャカランダ難波なにわの寺に咲くやこの花
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今日もまた静謐の時間をともにする凛々しい猫と支える人と
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猫さんは心静まる時を待ち吾の膝うえに鎮座まします
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君に会う 朝の楽しみ それだけで 今日一日が 少し明るく
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ヘアオイル ウキウキとつけ登校す 何がなんでもモテたいか次男
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恋人ができると人は変わるのか 人は人であり君は君だよ
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若いとはいかに無防備無知無邪気気がつく頃はあの世が近い
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深々と頭を下げてその人は 父の遺影をじっと見つめる
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死ぬのかと父の問う声 耳残る 嘘をつけない子に育てし父
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ステーキを 切り分けるのは 上手い彼 「行ってないのよ、プラネタリウムは。」
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手折られた たんぽぽの茎が 湿っている わたしの首は 繋がったまま
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コンビニで 雪見だいふくに 手を伸ばす 思い出すは 赤子のほっぺ 
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鍵を掛け マスクに指を 掛けてああ ないよシャンプーとコンディショナー
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