独りだけ涙止まらず震えては空へと祈る君に会いたい
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「接吻」のような結婚がしたかった 描ききれずに置いた油絵
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言ひかけたそのくちびるをくちびるでふさげば夜はすみれのにほひ
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死ぬのかなぁ?誰も知らずにもう一度あなたに会いに行きたかったな
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文字通り般若のような般若川 壊れた街を更に壊すか
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悪魔とて躊躇うほどの無慈悲おおあめなり 頑張れなどととても言えない
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能登の人 流す涙も涸れ果てる 悪鬼のような自然の無慈悲
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いつ降るか 分からないから 諦めた 負けずに干すわ 乾くまで干す
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太っても痩せてもいないはずなのに母はわかるか吾の不調を
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天気雨 油断大敵 音もなく 洗濯物が 二度も惨敗
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玄関に 脱ぎ散らかした スリッパを 見ても笑った 昔懐かし
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名画座でリバイバル観るあの映画むかし並んで座っていたね
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惚れたのはめちゃくちゃ綺麗でもなくてけれど僕には天女に見えた
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眠っておくれよ 僕のそばで 羊雲を枕にするくらいなら
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休日になすべきこともなくゴロ寝うかぶ言葉を三十一みそひとに編む
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忘れたい忘れたくない落ち着かず 女心と秋の空なり
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殺されるかと思うほど風を切り唸るエンジン200km/h超え
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随分と自我の出てきた一歳を気付けば一日追いかけている
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今頃はわたしはきっとセレブ妻あの日こいつに出会わなければ
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九月でも余裕でできる庭プール未だ猛暑日観測の中
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思い出の尽きせぬライブハウスあり今では人絶え空き家となって
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ケーキ代そっと母の手握らせる ショートケーキでごめんねと言い
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秋来ぬと目にはさやかに見えねども便座の冷えにおどろかれぬる
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向こうから手を繋ぐ君が来てるから曲がりたくない路地を曲がるね
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遠方に住まう弟 よく気がつく 母嬉しげな おめでとライン(happy birthday🎂)
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支えられている私から伸びる背中をそっと支える右手
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秋の気配見ゆるは稲の黄金色 夏よ、ほらもう秋の出番だ
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わたしへの愛をあんなに叫んでたあなたどこかへ行ってしまった/叫び
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イエベとかブルベが何かも分からずに、「とりあえずソレ」と応える僕
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生きてゆく家族と笑い生きてゆく左目なんかつぶって笑う
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