手袋をせずに洗い物 手が荒れた ずぼらな性格ここに現る
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お昼まで寝床でごろり寝ているが俺らの朝はこれからだよな
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ねこが鳴く 母を見つめて ニャーと鳴く 腹減り具合で距離が近づく
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灯り消し花火中継浮き上がる ソファは河原の特等席に
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遂に行く 娘の新居に 向かいしが どんな暮らしを しているのやら
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「警報」を付けるだけでも良いものを「熱中症警戒アラート」
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八百屋さん 甘いと教えてくれたるは ソルダムといふ緑のスモモ
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結婚し子供は?と聞かれ泣いていた そんなむすめ思い我も涙す
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伊吹山霧深き中ウグイスの声を聞きつつ山頂目指す
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海の日か もう何年も泳いでない 須磨浦海岸 現在いま綺麗なのか
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カフェオレの 手順をあわや間違える 頭の重い月曜の朝
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ぬか喜び 昇華するため 詠んじゃおう なあんだガッカリ 間違いフォロワー??
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叱られる末の息子に甘すぎる いくつになっても子は子なのよ、長男きみ
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カーナビに出てきた地名「裏白」を 「羅臼」と空目 道産子ふたり
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絵画のごと 夏空に映ゆる 茶畑の 几帳面な緑のライン
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伊吹山うぐいすの声ジャコウソウかってなかった売店ラーメン
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家康の 兎のごとき 弱さこそ 新しい世へ 続いたのかな
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何年も行方不明のウエストを取り戻す術手遅れと君
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辻々を ゆたりとで来て列をなす 絢爛山鉾 空より眺めたし
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扇風機の風くるたびに持つ本の紐の栞がしきりに揺るる
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剪定は伐採にあらずと女房はわれを睨んでため息を吐く
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お土産の北海道を食べる朝 酸味が強いハスカップジャム
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左翼は保守とよく話さねば正反から合ヘーゲルがそう言っている?
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朝が来た 昨日の出来事 忘れさり 新たなスタート 切れる嬉しさ
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夏の海は太陽にキラキラと輝き波はわたしの心を揺らして不安
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保護犬を飼ひて茂吉を思ひ出す「生長ののちは賢くなれよ」
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デブった親父の後ろを太った息子が捕虫網を持って歩いている
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生まれつき 眼の無い我が子に 教えられ 過ぎし日々は 宝と思えり
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消えて行く 父母が守った 集落を 忘れられずに 戻りし我ら
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我が妻に 自分の無知を 指摘され 怒る我が身の 情けなさかな
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