もう僕は 桜の花も恐くない 夜も大して寒くはないし
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あなたが好きだと言うから買ってきた ジンギスカンが食べきれなくて
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君の手に触れてみたくてシャープペンわざと落とした火曜日の午後
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矢継ぎ早にかわりにしゃべってくれるから 言葉をなくした予測変換
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雪が降る日は少しだけ暖かで 三年ぶりにメヌエット弾く
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有り得たかもしれぬ未来ばっかりが増えていくのだ こんな部屋から
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診療所マスク患者が出ては入る開け放たれた玄関のドア
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サボテンに水をやる土曜日の昼 あなたに置いていかれた同士
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ぬいぐるみのアルパカはどれも姿勢よく見えてる首が延びてるだけで
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災害は忘れぬうちにやって来てウイルスにはダメージはなし
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目がキョロリ冬曙が家々の合い間から登り青空澄むか
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二千年置かれた場所で生きること 証としてそら きみの青さよ
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朝起きて今日も世界は平和ではないと確認して人になる
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黒板に薄く残った数式よ 私のことは忘れないでね
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さてと取りかかる相手は最強のシンクを塞ぐ洗い物たち
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茶だんすの奥に未封の赤ワイン今夜飲もうか一人飲もうか
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真っ白な雪のかたちの帽子あり朝焼けが降るなだらかな丘
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「好き」 という ひどく無邪気な弾丸で 君を殺めるつもりはなかった
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星の数とも言えそうな起因と眠れない夜のシューゲイザー
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まだ、もっと不自然になれるはずだと。ヒトへの淡い期待としては。
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モスモスモスモスモスみんな白く細い雪になりそして羽化した、モス
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二十歳 パチパチならす 指先は 白い画面に 明朝体
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大寒の空に浮かびし立待月凍るが如し白きその色
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足音も車の音も嫌なことも雪は覆って積もりゆくかな
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来週の木曜日には美術の授業があるしもう少し生きる
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どうせなら全部素通りしてくれよ わたしの繭に爪を立てるな
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百円のカップコーヒー啜る午後まだ窓の外あおぞらでいて
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退屈を連れ出すように開け放つ窓の外には冬晴れの空
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馬の背は堅き優しさ跪座示す信じてくれて鬣撫でる
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朝三時寒そうな月光さすオミクロンはこの星と有る
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