昇りだす光のほうへ駆けだした 吾子よ 待っ てて くれ るだろ うか
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忍ぶれど、忍びまくれど色に出ず 気づかれないで終わった恋、夏
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降る雨が雪を溶かしてゆく道を春がつめたくやってきている
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核融合反応のこの暖かさ でもあの星もいつか消えゆく
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ズボラゆえ仕事を失くした掃除機がポツリと佇む六畳と夜
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ビルの窓見知らぬ人のような僕嗚呼ぼくは今街の一部か
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転びかけた君の手をとる通学路 ありがとう氷、でこぼこの道
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ドーナツと愛は奇跡の集合体その裏側を僕は知らない
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いつの間に瞳が画面を向いていてこの体は磁石なのかな
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大噴火 トンガの山が 大噴火 可愛い娘に 愛大噴火
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空気にだって記憶はある 昨夜水族館のクラゲが死んだ
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カレーの匂いを嗅ぐと足取りが軽くなるのはきっと本能
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この街が丸ごと雪に包まれて そうしたらあともう少し寝る
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「幸せ」は今朝の日向を指していてエントランスに雪だるま2個
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誰も見ていないかもしれない雲の艶やかすぎてモグラの跳ねる
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温もりに近づきたくてひゆひゆと冬の隙間を抜けてくる風
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きみの箸買っておこうか この部屋に私の気配残してくれる
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バスや信号機を選び続けてるわたしは、きっとロボットじゃないよ
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下手くそな金糸雀カナリア 歌は緩やかな溺死と気付かず今日も愚かに
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あのひとも聴いたかどうか知らぬまま懐メロになった新曲の墓
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「明日」という漢字を「あす」としか読まぬあなたにそろそろ嫌気が差した
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5Gファイブジー使えるスマホ買ったのに使えないのかこのクソ田舎
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正月の実家無限に飯が出る 中学生じゃないんだよもう
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「ポン」鳴らす卒業証書入れの筒 帰りに気づく中身机だ
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新しいセブンイレブンできたけどそこの駅にもセブンあるじゃん
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街角の空き地に何があったのか覚えてないが少しさびしい
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子守唄代わりASMRエイエスエムアール いつの間にやら胎児の姿勢
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食い過ぎた新幹線の内壁がトンネル入りべこんと凹む
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東北へ行く車窓から眺める紅葉もみじ トンネル越えて一面の白
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なんちゃって進学校にありがちな時代錯誤の古い詰め襟
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