言葉にはしなくていいよ、この手から伝わってるよ、「君が嫌いだ」
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ガタゴトと歌う電車が駆け抜けて 何処にも行けぬ私を照らす
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「お前はもう 恋をするな」としかられて ようやく口から 吐く火は止まった
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僕が風呂入ると必ず覗いてるハナコ八歳呼んでもこにゃい
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過ぎたこと 果たされなかった約束を知る僕たちはもういなくても
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あとひとつ ひとつ積んだら 終いにしよう 多分そうして ずっと生きてく
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すれ違うベビーカーの中盗み見る予想に反して犬がいたりする
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この恋がシャボン玉ならよかったね 軽く弾けていなくなってよ
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気を付けろ 愛とか恋とか 優しさも 毒になっちゃうタイプのひとだ
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「あれが欲しい」「傷つきたくない」わめく子の 爪があなたに 引っ掛かってる
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あと何回 置いていかれて 泣くのだろう 君はとっくに 乗り越えてるのに
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海の絵の ポストカードで 君だけの 君だけの海を お届けします
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ロイヤルじゃないけどどうか、そのロイヤルブルーのワンピを着させてください
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“幸せに なる資格がない、僕なんか”? わかった、一緒に 不幸でいよう
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晴れ色の マスキングテープみたいにさ “好き”がどこまでも 続けばいいのに
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君のことは 手に入らない その代わり きれいな色の シールを買うんだ
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キッチンの光で育つ豆苗はきっとあなたを太陽と呼ぶ
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うやむやな日々でも夏は来るんだよ 君にだって ほら、もうそこに
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AIが昔話を語り出す 眠れずにいるきょうだいのため
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反応がないときにこそ誰かとの繋がりがあることを感じる
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感情がありすぎるので破棄されたロボがいかだで朽ちている夏
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○○○○○好きな語を○○○○○○○マルにいれれば○○○○○好きな首が○○○○○○○あらわれるので○○○○○○○おためしください
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猫も死も眠りも海も恋も手も花もない世で編まれた詩集
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ハートのない世界線ではトランプの価値が大きく違うのだろう
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鈴蘭の毒で死にたい夕月夜 周りには海しかないけれど
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恋した時 これを失う 覚悟はした 畳紙たとうしよりも 薄い覚悟で
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来世まで琥珀になろう 海底に夕日まみれの小指をだいて
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連休が始まる前から想像す最終の日のやるせない夜
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三塁側とぼとぼ帰る僕の横走り抜けてく子供の背中
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駅前の広場を満たす音声は選挙でしょうかいいえ母です
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