あたらしく買った鏡をのぞき込む 君とならんだ僕だけ映る
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即身の仏か祖母は細くありクーラー入れぬと意地を張りつつ
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地の上に着くかと見えて跳ね返り狂おしく舞う夏の夕立
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焚かれる火燃えろよ燃えろ君の尾は天に届いて星になりそう
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父の日を今日に控えしのばせる貴方あなたの好きなグリーンカレー
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戻らせて幼けなころにこの私を母にビデオを撮ってほしいの
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君のせい涙を汗とごまかすの胸が焦げて効かない冷風
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忘れてた懐かしいあの祖母の家近い香りを復路で嗅ぐ
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ガラス越し夏へと切った髪の毛と寂しく映る腕のヘアゴム
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本名も顔も住所も知らないのそれでも貴方に恋をしている
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行く果てもあるわけないのに歩いてく何故だかそれが幸せだから
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うどん屋の 丸椅子腰掛け 麺啜る 床に感じる 誰かの生活地下鉄走る
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欲望に 塗れて地べた 這い回り やっと見つけた 可憐な葉っぱ
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生き甲斐を 求めて今や おじいちゃん 感謝以外 何も出てこぬ
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微笑みの 向こうに見える 悲しみを 見透かすように 垣根を越えて
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一般に 人は心を 見せぬもの 警戒心で 垣根を作る
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弱き者 苦しみ者の そばに生き 憐れみに満ち そおっと愛せ
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存在を 宝石ごとく 輝かす 磨けば愛の 至宝となりて
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強くなれ 愛されるほど 弱くなり 愛するほどに 磨かれるから
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好き嫌い 言ってるうちは まだ子供 大人になれば 全てを愛す
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幸せは 愛の心で 決まるもの 愛を失くして 存在もなし
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愛すれば 他人の言葉は 風のよう 甘き言葉は 海風のよう
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君が前忘れて帰ったパピコ半分こ青春もどきのレモン
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コールスロー仕事帰りの君に押しつけたら「コルハラ」と笑う君
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約束より今はくちづけだけ欲しい明日あの子にするより多く
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人ごみを抜けたけれども気づかないふりしてつないでいたいこの手を
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目醒めては我を再び我と呼ぶこの誰なるかを知らず未だに
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つらくともいのちそまつにするなよと ひゃくねんまえのそせんのこえがして
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御茶ノ水改札一歩踏み出せば 身体の奥よりほっと熱い息
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自由なら 鎧は捨てよ その代わり 大きな翼 天空を舞う
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