経花もに
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図書室の窓辺で本を読む君の 指先は少し薄いむらさき
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牙・痛み・素肌・遠吠え・子供・くらやみ・人には戻れないわたし
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春。山に 呼ばれて野生化した姉は ご飯を一口分だけ残す
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笑わない毒殺犯より贈られる 彼の愛したジギタリス一輪
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軒先で 震える小さな冷凍庫 溶けると終わる世界のことなど
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わたしのに ならなくていい こっそりと隣で影を踏ませて欲しい
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姫たちはハッピーエンドのはじっこで 狼の毛皮を纏って眠る
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水平線 飛び込む鳥の心臓に 響き続ける 淡い潮騒
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「怖い世の中でございます」すれ違う 黒猫 (囁き) 挨拶を交わす
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息をしていたことだけを思い出す わたしたちは現象である
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SOS モールス信号 後足あとあしで 送りはじめる 白い兎は
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行く鳥や お前もきっと孤児だから 見逃してやろうか きょうのところは
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食べ方を見れば分かった傷跡に 唇で触れてくれる人だと
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一族の語り女かたりめたちの肉体は 秘密を満たす容器いれものである
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撃鉄を起こして確かめる君の血が 僕と同じように赤いということ
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黎明に眠れる君の頭蓋を抱く 乙女椿は首から落ちる
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聴診器 冷たさに慄くおののく 心臓の 凍ってゆく音は聴こえますか?
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「わたしたち呪われてるの。なぜならば…」狐が憑いた少女らは嘯くうそぶく
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ぼくたちは生きてること以外 完璧だった あの博物館の展示品みたいに
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量産型アンドロイドが責める夜 「こんなことしかできないのですか?」
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遠くから竹林鳴らす音の雨 人でなしは一度だけ名を呼ぶ
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廃屋に若草色は はびこりて 来たる爆破の号令を待つ
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労働を 燃やす準備の手始めに 危険物乙4の免状をとる
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シロップに ひたして銀色のスプーンで潰す 鎖骨のくぼみに泳ぐ金魚
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生命の使用方法は知ってます。 ただ流されるだけのことです。
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血液を 完全栄養食として 二人で生きてく証明とした
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夕暮れに 灯りともり始める食卓の ぼくの知らない地獄たちの
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撃ち方は あたしが覚える おまえらは 後部座席で幸福を数えろ
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「起動します。音声認識を開始しました。(私は博士の右耳が欲しい)」
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怪物の その目は確かに、人間だった 「知らないふりをしてもいいよ」
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