そんなこと思っていたとはつゆ知らずあなたの前でパンツ一丁
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今生の別れのような顔で朝見送りをするポチのルーティン
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しゅわしゅわとソーダみたいに思い出の泡が溢れて息ができない
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口の端でくゆらす朝の残り香に澱んで恋と見紛うひかり
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丸善は檸檬を置きに行くところとだけ学んだ十代の秋
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黒い蝶秋の味する蜜を吸う爽やかな朝は身に辛かろう
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秋めくは虫の泣き入む雨ポツリ共に跳ねれど順々来たる
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ヘリコプター夜空に舞えば一晩に一つ星座巡る旅する
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添削の赤ペン盗んできたよ、もう血で咲くはなまるなんて捨てろよ
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本当のきみが考えてることはブルーライトに濾されて消える
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走馬灯過る一齣青雲の田村ゆかりに似てる白猫
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見上げればどの青空にも涙扁桃体の蛇口壊れて
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黄金色きんいろの雨野の中のピアノにはドが弾きたかった葉っぱが流れ
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走るほど置いていかれているようで止まれないまま逸る心臓
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あまりにも人と世界が多すぎてすうっと消したくなることもある
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“おめでとう 生きててくれてありがとう” それを伝えるためだけの月
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秋めいた風?勘違いだったかも 信じられない 貴方みたいよ
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日暮れきて月飾るため夜がくる舌突きだせば風に切られて
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すき焼きの 日には決まって 母は言う 卵はひとり ひとつまでよと
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星空のひかり遮る東京は明るく夜に逆らっている
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今朝何かあったと分かる先生の目は見ないように悪戯をする
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前略に消えた記述うちゅうを見た者はいない手紙はただ閉じられて
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ビニール傘と海月はよく似ている たとえば脳がないところとか
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家族なら サヨナラ言わず 別れよう いってらっしゃい また会えるから
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抑圧の 元で暮らした 20年 最後に一つ 引っくり返せ
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権力を 持てば自然に 尊大に なりて弱者を 虐めるように
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生き方が 違えば人も 様々で 冷遇される それも人生
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自尊心 高く生きるも 高慢に なりて周りを 蔑むように
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成功を 自画自賛する 社長あり 毎月同じ プレゼンテーション
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植物が 朽ちては枯れて 行くように 人も過ぎ行く 季節と共に
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