一人でも生きてけるけど手を取って歩きたいんだ 認めてくれよ
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体温の触れあう距離にいてほしいそんな我が儘言えるわけなく
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失語症の父が何度も初孫のフォトフレーム手に黙って眺む
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ケータイをチャカポコ鳴らし帰り道国道はほら夕陽へ続く
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あの涙 たどり着く場所は夜ではなく 人に出会うための朝だっただろ
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他人(ひと)の行く とこにはついて行くけれど 自分で行く場所 決められません
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変なTシャツを売ってるショップとか送りたいからLINE教えて
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一人では 人気のカフェには 入れずに 行き慣れた場所 発散できず
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ねぇ わたし 別にひとりでも楽しいよ 貴方がいるともっといいけど
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靴紐がほどけて二月 毎日がぼとぼと落ちる椿のごとく
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もう二度と逆らうことが出来ぬよう火はストーブに閉じこめられて
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めをとじて ほのめかしても キスしない YesだけがYes おんなも平等
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苦いだけのコーヒー二秒で流し込み泣けないぼくらは明日を見ない
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グミなんて舐めても溶けて消えるけど白い歯それを噛むから至高
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近ごろのぼくが暮らすCLASSに欠いていたそれらに代えて十時の日射
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鉱泉の熱に灼かれて解くゆきを送り出してし立春の月
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延伸の終わりが来ない薄炭の街をそれでも鉄路ひたゆく
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さよならと 言える言葉の響きには 永訣しらぬ 人の刹那さ
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おばあさん 薬せしめて 自慢する 病院通い 買い物気分
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今やもう 共産主義が ぶっつぶれ 貧乏人の 恨みが溜まる
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豪勢で 優雅な暮らし 望む人 五万といても 仲間になれず
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目覚めれば 両目がかすむ 驚きに またかと思う いつまで続く
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目も鼻も 肩と腕さえ 患えば 夜も眠れず のた打ち回る
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人生は 与えられたる 持ち場にて 右往左往し 教訓学ぶ
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組織とか 会社の駒の ようになり 心なきまま 生きる姿よ
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我儘で 子供ような 人間に 慕われるのは 私も子供
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誘惑に 弄ばれて いるうちに 自然に慣れて 今や人格
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痛くても 生きねばならん この世にて 為すべきことは いまだ終わらず
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愚かだなと思うのでかわいい賢いと思うのでかわいい猫
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人並みにしろという人の「人」はほぼサンプル数人らしく、笑える。
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