もう誰も訪ねぬ田んぼ一匹の猫 君の世界を覗かせてくれ
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完璧な太陽に今朝出会えたよそのまま天に召されたかった
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盆東風の飛沫に乗りて静かなる傘のポツポツ秋の失恋
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包装もリボンも熨斗もいらないの貴方の音と揺れてるだけで
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リボン付黒フリル服のマキさんのグラン・ギニョルめく笑み忘られず
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動物の 身の一片を含んでは ニタリと笑う 君に似た人
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ああすればこう言われるだろうを100として言われたことは0.1
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冬の夜 南で月を眺めてた 東を見れば ひかりの街
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前腕の かわりに紅く 染め上げし チーズ牛丼 沁みる陶酔
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人事部よ 個性は何かと 聞くなよな 塩基配列 たたきつけるぞ
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ごめんねと 言いたくなるから 意味もなく どうかあなたの 明日に幸あれ
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もうだめなときは母音に濁点を付けて泣くから気づいてください
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朧月 ぼんやり見える 月光に 綺麗と気づいた 二十五歳
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diff わたし あなた を今日も くりかえす なんてことない ふりをしながら
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スキンケアを 始める前の ガサガサな この手を見つめ 君を思い出す
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浴槽へなんだかな~ お湯を入れる準備が何でも短歌に 出来ました聞こえるよ 風呂の蛇口を僕の心は 開いてください狂ってしまって
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失えば 生きていけないはずのもの あまりに多く失い過ぎて
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「俺はアジ」 イワシの群れで泳ぎつつ となりのあいつは 「俺サンマだし」
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文末の(笑)を個性と呼ぶのなら くれてやるからトイレに流せ
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ちょっとだけへんてこな服が好きです そんな風に暮らしていけたら
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「傍観は黙認」という癪だけど否定できない論理があって
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飛びつくと抱き上げられて顔を舐め「犬臭い」と言われ動きつづける尻尾と心臓
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靴下の左右が微妙に違う色そういう男子が意外と好きだ
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ビー玉の音に重なる相槌もただ好きなだけ全部夏のせい
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曇りの日 月も星にも会えない日 まるでわたしとあなたみたい
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幸せを 見つけた人は 幸せと 云うほかないよ 彷徨える人
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満足は 明日になれば 幻に 飢えて乾いて 彷徨い歩く
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十分な 恵みを受けて さらになお 求めて止まぬ 人の本性
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他人から 称賛受ける 快感を 求めて止まぬ 人の本性
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トゲナミダまあるく舞台にくるむごと電気仕掛けの六花りっか降る降る
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