冬花火 月にすわって見下ろして僕とあなたで雪を降らそう
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息子キミの笑顔を見るたびに貴方あなたを忘れないとと思ってしまう
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これからは愛だけのために生きるのでねこを抱きしめたくさん寝ます
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かいがらを透明な水がさらってゆく砂に埋もれてそれからまたね/熱海
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五七五七七全部「あ」で埋めていいよあなたの言葉なのなら
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完璧な私でなくていいんだと あなたの隣りにいられることで
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流体となりゆく文字のひとつぶの銀色の砂がことばになった
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パインアメわかっていつつ吹いてみる愚かしさごと愛してほしい
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くだものをすみにあつめて寄せてゆくきみのとなりで洋梨を剥く
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夏空のもゆる江ノ島電鉄と赤い水面とスパイスカレー
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理不尽なことを言ってる先輩に頷く自分をどう否定する
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思い出のたからものばこに入れたのでお手紙いつか読んでください/ブルースカイに寄す
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染色体ひとつちがえばあわれみをむけられるだけの透明な性
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ひととせの春の記憶をクッキーの箱に詰めたらとわのさよなら/青春
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先頭でランジェリーしたぎ売り場を横切ってく彼の背中をそっと見送る
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なまで聴くバイオリンの初めてで 「綺麗!」の声が音符になってく
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人混みでなかなか息子に追いつけず 息子キミは後ろを振り向き、振り向き
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年末の ジャンボな夢の 使い道 考えてたら つい買い忘れ
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フロアへと充填される稠密ちゅうみつなスネアはすでに補陀落渡海ふだらくとかい
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コーパスを気圧す筆致に耐えかねて拡充される短歌空間
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確率をずらす量子とわたくしの六方最密充填の恋
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収穫をされずに枯れる葱坊主ねぎぼうず乾いた土に汚れて眠る
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亡き友の 声も笑顔も 覚えてる 亡くしたわが子 どんな顔、声?  ごめんね。
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14年たってた何が?暖房を使わずテレビも見ない暮らしが
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君の闘いをぼくだけは知ってるよ何とか遠い未来に繋げる
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ただ負けるにしても力は尽くせよなコンティニュー後の残機が増える
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日常に流される日常にいて片道切符をなかなか買えない
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白雪の下で君の手 我が頬をむぎゅと包んで「幸せな顔」
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ぼくは君とラーメン食べに行きたいよ今すぐ叶えられる夢だな
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月の側に小さい星が光ってた ただそれだけで特に意味はない
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