薄紙を剥ぐよに喉は少しずつ マシになるなり トラネキサム酸
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2日目のあたためがてら朝カレー 味見と称してがっつり食べる
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買い物をしようと町へ出掛けたが財布は持たずスマホで決済
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漂う夏 残暑のだるい風に きみとの記憶 いまは残らず 蝉のこえしきり
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全てをぶっ壊して死んだつもりだったけど常に夏だけ握ってた
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風渡る真葛原まくずがはらに立つ鹿の怨み果てたる暁の声
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アスファルト叩く豪雨は無力なり人は各々職場へ向かう
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立ちわたる霧より昇る朝日山麓の闇に牡鹿鳴くなり
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まだ深夜?午前3時は早朝か、、、新聞配達バイクの音だ
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実名も、さん付けだって愛称も、私は呼ばない彼は「先生」
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眠れずに午前三時のパンケーキ夜食だろうか朝食だろうか
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勝った日は記事を延々と見てしまう その程度には野球が好きだ
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痒いカユイ 汗が消毒液ならと願う皮膚炎の夏休み
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敗北を自覚しながら予約した わたしのために髪を切ります
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「秋だよと」と吾亦紅告げツンツンと行き合いの空つついて伸びる
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石垣の 闇に 命は繋がれて リーンリーンと エコーする秋
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可憐なるコスモス畑の真ん中で 妖精のごとく同化する写真
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このなつは じゃぐちのさきの 浄水器 すぐに茶色に 築五十年
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同郷の 展示会にて 感動す 見事な絵画 春光映える
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同郷の 袂別れし 友人の ラインの文に 心洗わる
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後継の リーダーの声 高らかに 君の励まし 天を動かす
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我が娘 夫の見事な 記事読みて 苦しみながら 進めと祈る
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やるせない気持ちを他人ひとに転嫁する自分に気付きやるせなくなる
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汗拭けば一緒に落ちる防虫の薬の効果すかさず刺す蚊
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誕生日おめでとうってほんとかなーさよならをまたひとつ数えて
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大木が ある日倒れた 根元には こぼれた種が 苗木となりて
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既視感か ドラマシーンか きしゃかいけん 少年レイプ 創刊五十年 /修正しまうま
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願うのはあなたの和音が響くこと 広がる空が青くあること
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たいわんを 占領しても 世界から 経済制裁 うける習近平 /今 バブルを避け逃げる外資
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乗る度に「カードが挿入されていません」高速走らぬ老の車に
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