絶望と恐怖と不安の実感がひたりと足を濡らす冷たさ
3
モゾモゾと目尻に鼻に忍び寄る 違うのこれは花粉じゃないの
4
春の霞でお山も白い そしてアタシは涙目に(ごめんなさい都々逸)
5
誰の足も止められない街頭演説が雑踏をかき分ける月曜の朝
3
老猫の踏む前足は律儀なる入眠儀式「整いました」
26
声だけを知っていた人その声を化石にするよわたしの脳で
3
東京は空がせまくてうるさくて汚らしくてつまり優しい
3
ふくらんだつぼみが開くそのままにぼくは会社を辞めてきました
4
もしおれが桜だったら花びらをきっと届ける あんたのもとへ
3
PayPayの残高がたりないときのチャージしているときの尊厳
2
偶然に 拾った本を読み進む 終わりよ来るな 愛が生まれた
5
明日もまた 同じ場所で 繰り返す 日々の営みよ ありがとう
4
家に着き 泥だらけの服 洗濯機 回せば今日の 疲れも流るる
5
帰り道 ヘルメット脱ぎ 星空を 見上げれば明日も また頑張ろう
4
夕焼けが 工場を染める 赤々と 一日の終わり 告げる静寂
6
轟音に 耳を澄ませば わずかなる 異変を感じる 職人の技
6
午後の部 眠気覚ましの コーヒーを 飲み干し気合を 再び込めて
3
昼休み 束の間の安らぎ 弁当を 広げれば笑みこぼれる仲間と
3
自意識は無常モードに突入中🥳 ! 通常モードは準備中です😖
4
汗を拭い 機械と向き合う ひたすらに 時間よ止まれ 残業の果て
4
コンベアを 流れる部品に 目を凝らし ミスは許されぬ 緊張の時
5
始業ベル 響けば始まる 戦いの 埃と油の 匂いのなかで
6
ひまわりは優しいあの子に拉致されたと知り 夏休み初日おわる
5
研ぎたての包丁に理性という鍵をかけて 玉ねぎを細胞ごと壊している
4
せめぎ合う横綱相撲かもう少し踏ん張り効かせ挑めよ小兵
5
釣り人が川で釣り竿振る季節光の煌(キラ)めき川面を揺れる
6
惨めだと思っていたのは自分だけ次の彼女が現れるまで
3
催事場各地の駅弁取り揃え売り子の声も張りを帯びたり
7
雷鳴の轟く季節ももう時期か夏雲の下雨を避けつつ
3
珍しい熱帯魚らを水槽の奥に眺める水族館で
4