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小
(
ち
)
さき手を するりと抜けて 風船は 春風にさらわれ 空を舞い
19
ごめんねと 云って赦しを得るもなく この苦しみを死ぬまで背負う
8
3年間 地獄歩いた君の道 遅れて今は 俺が後追う
8
チューリップ 土の下にぞ たへしのび 春ふたたびの 咲くやこの花
10
ホットチョコレート
(
ホットチョコ
)
飲みそびれたまま春が来て 今日明日初夏の気温だ どうしよ
11
2年間 生きながらえて最大の 「
トラウマ
(
・・・・
)
」に遇う また地獄逝き
7
よし誰も見ていないからドーナツを素手で取っちゃえを見てるわたし
14
我が
親友
(
とも
)
が かけがえのない我が
親友
(
とも
)
が がんと知りては沈む日続く
24
春風を臀部に浴びて削れてゆくだけさと笑うブロンズ像
7
車にて
谷間
(
たにあい
)
の路を走り行く
白
(
はく
)
木蓮の街路樹つづく
10
売ってない無くしたならばどれほどに当惑するか愛用の匙
15
「赤ちゃんか!」口では言いつつ待っている 抱っこをせがむ君の一言
7
命日に記憶は巡る幼き日父が削った鉛筆並べ
14
口癖の「あのねあのね」が可愛くて こっそり押した録音ボタン
11
突き破るコンクリートの割れ目から緑鮮やかしばし足とめ
17
ねこだって おくち「いー」になる ときもある
は
(
歯
)
がみえている たいそうかわいい
14
ハミガキで お口「いー」する ついでにね 鏡に向かって 笑顔の練習
15
いい夢を見てスッキリと目覚めたい なかなかそうもゆかぬのであり
17
三年
(
みとせ
)
ぶり旅立ちの朝巡りきて空晴れ渡る 孫ふたり分
11
バリバリと鳴き出すラジオは先触れの少し遅れて盛大な雷雨
13
音立ててカエル飛び込む池端に宗匠頭巾の人影を見た
6
薄く伸ばしたバターの香りの原石をルースにしていく型抜き
3
哀しみと 怒り交互に打ち寄せる うるさい、黙れ 独りにしてくれ
8
テーブルを転げた箸はそうだよな隅の埃を纏い横たう
12
この道を 涙あとつけ 歩いてた 今懐かしく 春はうららか
8
久し振り 辛い顔した 息子見て もっと気楽に 生きてもいいぞ
5
阿保になれ 善良にして 明朗で 快活にして 親切な阿保
3
そうなんだ 神経質な 人たちが 世界を暗く 陰鬱にする
2
ピリピリと 真面目な人が いるときは 私は逃げる 見えないように
4
春風に散る花びらを追い そっと受けとめる 優しい貴女の手
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