十月も十一月も年末も一月二月30°かな
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こしかたも ゆくかたも ただ鈴虫に よりそわれるのみ よもふけて
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てくたくとく 届け音 テクタクトク うちから外から 響く音に
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苦労しか出来ない運命さだめを生まれ持つ淡い「いつかは」来ないとは知る
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秋の夜 消したい番号 酔任せ押して 取ってはもらえぬ 風吹きぬける
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キカラシの咲き初む海辺青空に大き風車は秋風回す
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人の振り見て我が振りを直したい、なのに仲間と思ってしまう
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親なんて私が死ぬまでいるものと幼かったな真逆なのにね
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苦労人のちに老いては邪魔になど出来るやつなど人間じゃない
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節々が痛むけれども一日に一度も見ない気象予報士
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あの夏に右に曲がれば良かったの? 平行線だよ今でもずっと
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冷や麦茶、水筒ふたつに注いだらもう寝る時間と伝えたつもり
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狂ひ立つほむらなるべしのうぜんの冴ゆる葉陰に君深く待つ
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風それはカーテンと知る王林は森懐かしむテーブルの上
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モロッコの ひがいつたえる 通訳者 シーンおうごと ふるえる音声 /NHKBS 国際報道
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厳しさも危険もいつも付きまとう そんな道貴方あなたとうと
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おやすみと頭を撫でて消灯す その頃にはもう ねこは夢の中
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いただいたマスカットルイボス楽しみに 今夜はいつものカモミール飲む>ルイボス水出し
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さびしさをかかえきれない秋の夜 かけがえのない貴方あなたを想う
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空白み海の水面に幾千の朝のもとが生まれている
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作法とかちょっとあんまりわからずに 魚のフィレをぎこちなく食う
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先輩と語り合うのは仕事話 学生にはよくわからないけど
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苦いのでビールはあまり飲めないが 嫌いではない 微妙なちがい
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早朝にひとりで降り立つ異国の地 心細さに負けそうになる
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初恋がほろ苦いならその方がいいよ モスのシェイクが正解
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葉盛りも 去って残るは 雨、風と どこかの家の カレーの匂い
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手帳の君の顔は凛々りりしい 1番に見せに来てくれたんだね
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雨上がり 少し酸っぱい 風が吹き 日差しを待って 行く帰り道
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海からの厄災の予感ひしひしと焼き殺された鳶の死骸
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例えばね晴れた日の影の暗さとか感じる僕の歪んだ知覚
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