菜種梅雨 明けて散歩の 行く先は 近所のスーパー ポイント三倍
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晴れた日に 届いた手紙の封を切る  懐かしき文字は あの頃にとき戻す
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寄り掛かる お前の寝顔が 無防備で 心拍数が 抑えきれない
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風に乗り 届く音色の たどたどし  洋琴触れて 日の経たぬ弾き手
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とつとつと 震災を説く語りべの 東北の桜日本一美しと
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伏せ目上げ 掌合わせる チベットの 少女の瞳 純玲と鳴る
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夜明け時朝陽あさひ眩い街並みを確かめ月はそっと去りゆく
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就職の背広は兄の贈り物 パリッときめてドラマはじまる
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匿名でSNSを飛び交へるルサンチマンの言葉に凍る
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ただひとり 想いを馳せる 冬時雨 探し求める 雲間の月光
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雨雲とゲリラ豪雨で封印の 街を引き裂き轟く春雷
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音もなく 去りゆく人の 面影を うつしもせずに 春の十六夜いざよい
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一昨日も 昨日も今日も 同じなの あなたを想い 胸焦がす日々
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残りあと 少しの選手生命いのち 滾らせて 閃光のよう 輝き消える
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上目指し 身体がガタガタ音たてる まだこれからよ 徒花あだばなの春
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もう一度 君に巡り逢えるなら 必ず伝える 「結婚しよう」と /2周目
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花冷えに君の手を引き駅に行く告げる言葉も見つけられずに
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僕以外抜けた高2のクラスLINE 二度と既読が付かぬ吹き出し
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優しげに僕を撫でる手のひらが花と散りゆく夜明けの寝台
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さようなら あちらこちらで こんにちは 別れの季節 出会いの季節
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アイデアと といてお風呂ととくのです そのこころはどちらもわきま、あ。
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死ぬ事は難しかった何故ならば「迷惑かけず」の厳しい条件
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責めることそれは容易い。責められて追い詰められて生き難いもの
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欲しいものネットサーフィンしてまでも見つけられないだからもういい
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好き? うん、そうだよって 言い切れるよ 会えなくなってからじゃ 遅いけれどね
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千葉県の 名産品で なんだっけ 名前が出ない それ落花生
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大切な何か失くしてそれにすら気付けてなくて雲のない空
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初めての 駅で降りた それなのに 時間が無くて 散歩すら出来ず
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永遠じゃないからこそ 君は美しい でもこれはきっと僕のエゴ
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春待ちの列車に揺られ僕たちは 良い日、悪い日、行ったり来たり
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