マルイットオーバーなんて呪文みたいなリップを買った見たいでしょ/キスプルーフだって
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「生命の危機を感じる外気温」という書き出しにも飽きてきた
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いつまでも痛い右足 成長痛のせいにして甘えていたい
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リアルジャングルクルーズで子は見張る 「見えたぷかぷかは全部ワニね」
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アスファルト ガタガタ鳴らすツアーバス 眠る花嫁 口開けたまま
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バナナの木 錆びた電柱 蔦まみれ 置きっぱなしの鉄道工事
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むせ返る熱気の中に ひとかけの冷静さあり 帰りゆく夏
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ビロードの幕に火花よ転がりて 崩れ落つが如き夜空かな
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ぼんふち立てば深井戸底の無いふしあわせってこう言うものか
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カヌレとか ひさびさ食したくなりて 買ひ求めたり 50グラムを(ごめんね、ミニパン屋のお姉さんw)
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水面へと盆提灯が落とす涙 流ることなくゆらりゆらりと
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こだわりの強い子達は集まりて折り合いつけて過ごす四時間
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降る雨の接頭語である「あいにく」を外して撫でるカフェの存在
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虹が立つ そこに在るのにそこに無い 思い出せない思い出みたいに
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ガス料金WEB確認ポイントを貯めた分だけ寄付をしてみた
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Flügelつばさてふに脚長く腰高く地震なゐなき地にて成れるなりかな
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おもむろに干からびていく 夕暮れに立つ向日葵のうなだれた首
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風呂上がり 慌てあらため パンツ脱ぐ 前日比プラスの体重計
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「金は腐るほどあるぜ俺の贅沢は治らねえ」 言ってみたいぜ!
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「俺は法律を破るぜ義理も恩も屁とも思わねえ」 嗚呼清志郎かっこE
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浴衣の君 口付けはだ  見惚れるは赤い唇 りんご飴のよう
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中花火上がる地元の盆踊り  時間差の音 息を飲んで待つ
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この本が欲しいと君が駄々こねて買って帰れば家に同じ本
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故郷の墓前に集い汗ぬぐう三代の時流れて止まり
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「気立ての優しいだったよお前の嫁に欲しかったねと」 嗚呼我がソクラテスの妻(ラジオの懐メロ)
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迎え火を焚いてる実家の向かいでは幼馴染が親子で花火
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自分でも恥ずかしいほどのラブレター 入れたポストも真っ赤に染まり
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「甘ーいフルーツみたい」なトマトは要らぬ ハードボイルドな赤茄子何処いずこ
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「唇よ熱く君を語れ」今さら驚く 商業歌の完成度 確かに響く確かに動かす(ラジオで懐メロ聴く)
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だよな ぼへさん トマトは青くて酸っぱくて ジャキッとしたセロリみたいやつに 塩かけて食うのが一番旨いな
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