見たくもない心に刺さった棘を抜く 涙の色した血が流れ出す
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百年前なら死んでいた者多数死なずに缶ビールを飲んでいる
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「生存が良い」とは言えず、「生存を妨げるのが良くない」と言う
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こねて焼く一人暮らしのハンバーグ 揃わぬカタチ そこそこの味
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1ミリに満たない小さな芽が語る 良い変化ってわかりづらいよと
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青い実は青い実なりの甘酸っぱい 美味しさがあるよ 胸張ってゆけ
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哀しげな 笑みの君みて労えず こんな気持ちでいたのかずっと
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闘って負けたのではなくむしろ勝ち ひまわりが似合う スキンヘッドのひと
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燃え尽きた命は何処へ逝くのだろう 貴方の言葉が好きで好きで
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「パンよりもちょっと硬めの米派らしい!」 私は知ってる、両思いだよ。
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五月だぞ三十度とかふざけてる気温管理の責任者出せ
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みちに風 うつぎ散り果つ春の雪 誘はれの蝶 舞ひ踊り消ゆ
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話しさえ急に聞こえぬ母なれば 耳の近くの大声悲し
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有終の 別れも無しに 涼風すずかぜの 吹く頃君は 何処どこかへ消えた
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数センチ風呂の窓開け夜を呼ぶ 涼風顔に受ける幸せ
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何もかも忘れて乗り込む夜行バスにも着いてくる残した仕事
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地獄耳自慢していた母なれど 聞こえぬことも良いことありと
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母ついに九十六になった日は 風はいつもと変わらず吹いた
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ハンドルを握りどんどん離れてく 遠のく家は私縛れぬ
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君の目をいつも見つめて逸らされて言葉にするのはいつになるやら
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リアリスト 気取っているけど 本当は いつか会いたい 運命の人
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発売が 待ち遠しかった ぬいぐるみ やっと見つけた 今日から友達
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案山子かかし』聴き「父の日」耳にする月夜 河の向こうにさがす おもかげ
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ガラケからスマホに替えたメモリには 笑った君がほとんどいない。
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一曲の名前も知らぬボーカルの 声に恋した五月のドライブ
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さればこそ 春過ぎたるを忘るらむ 今しも鳴けり老鶯おいのうぐひす
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初なつの 化粧けさうずるくれなゐの 咲きにほふては紅花榮べにばなさかゆ
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社会みんなには無駄にしか見えないことにこだわっている生かされている
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インドカレー 大きなナンがはみ出てる ちょうど海の比率みたいに
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夕暮れが近づき風が冷めてきてまだ春なんだと思い知らされ
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