家庭無し 仕事が全てと 言う背中 ムチ無知体型 夏の風届かず
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真夏日の 誰も気付かぬ 汗染みて 加齢臭靡く おじさんの行末
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スーパーの 半額惣菜買い帰る 夏の夕暮れ おじさん孤独死
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雨雲の消えない訳を「梅雨でしょ」と乙女心を知らない君が
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忘れっぽい そしてやたらと 忙しい …ココロ亡くすのだけはヤメテね?
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笑えない冗談なのに怒るなよって言う奴は地獄に落ちろ
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バテるから水飲むなって言ってたじゃん体育会系おい!昭和
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車窓に見ゆ燐寸マッチ箱のよな家々の どの一つさえ我は届かぬ
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沈黙が部屋に広がる 秒針と 二人見つめる 煙草の火 ひとつ
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飯物めしものを肴にするは酒家の恥 亡父の戒め今日は破りぬ(お稲荷さんも食べ)
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塩豆に牛の塩漬けコンビーフ塩玉子 お稲荷さまも肴に加え
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社会にはまらない人間の輪にすらはまれない諦めきれない
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隣席に誰が座ろうと俺は呑む 走る居酒屋しんかんせん 四合の清酒
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毒親だろうが子どもは親がだいすきだから ころしあうしかない
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ワンオペから ばあば頼りを経て今はイクメン活躍 時代は変わった
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転倒の百七の伯母無傷なり 大正生まれの見事ないなせ 
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濃紺の闇に浮かびし山稜の 紫煙にくゆおぼろ満月
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(最善の道を)選んで、(最善の道を)外して、さいぜんのみち
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ポトフなる 名が暑そうで「コンソメ煮」 夏のあいだは コンソメ煮と呼ぶ
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仰向けの 私の脇に 背中つけ ふれる場所には 猫の体温
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銅製のコップにあたる氷の 耳から涼が広がってゆく
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日々猛暑 花との出会い 少なくて しおる心に 鶏頭のあか
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夏だから海が見たいな気持ちだけ若い子のまま言ってみた朝
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ねこかわいい 科学的根拠があるそうな?ベビースキーマ?「そんなの関係ねぇ!」(笑)>ねこは存在がかわいい
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牛乳に ヨーグルトさん チーズもね 三種の神器と 今朝は塩パン
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今日もまた風呂みたいだと豆苗に言わせぬ為にカーテンのかげ
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すぎていく日々は暗闇でも あなた 光の中でそのままでいて
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陽炎と器に山のかき氷 私が神になる日も近い
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八日目の 蝉臥す ここは土の上 気高く生きた 日々に想いを
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右足の靴下にだけ穴があく原因わかる靴底の穴
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