離れてる君を月見へ誘っても「当地は曇りと」つれないライン
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品切れのよなよなエール 晩酌に振る舞う君の仕業だったか
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中継の スタンドに見る 祈る母 初恋の人 昔と変わらず
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四粒の金平糖のそれぞれの愚痴を聞くうち飛べなくなって
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舗装路に青梅コロリ転がっていつか誰かの孤独のようで
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梅の実の シロップ漬けを 作り終え 氷砂糖が 優しく溶ける
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そっちへは行きたくないのそれなのに明るい方へあかるい ほ う へ
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仕事終え 外に出てみて雨模様 少し前まで桜咲いてた
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生命線短くたって落ち込まないでよ 僕のをちょっと分ければいいじゃん
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願わくは暴れることなく塩梅あんばい良く田畑野山に雨もたらせよ /梅雨入り
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老ひた鯉 がぼと呑み込む芥藻あくたもは かてにはあらで虚し吐き出し
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気まぐれでモーツァルトを聴いてみるわかったようなわからぬような
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影が濃い 都市の真上に置かれてる シビックひとつ 美しき四辺
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雨滴打つ濁った河の水面から 歳老ひた鯉 がばと口開く
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阿佐ヶ谷を 過ぎたあたりで 思い出す 泳いでいたひとの まなざしのこと
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対称の 影が地にある ブランコは 誰にも揺られず 昼を受けとる
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ロッドリング0.1mmでなぞりだす 夏の光を引いて 通り抜け
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誕生花 シクラメンと 教示され 花言葉聞く 貴女そのもの
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夢の島 かすんだ橋を トラックが ふつうに通る 午後の時間よ
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看板に あたる光が 好きすぎて カルフォルニアと 呼ぶことにした
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無意識に脱ぎ捨つ服のポケットに 最後の一枚流せるティッシュ /「大惨事」
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ぎりぎりのタイミングだった 先生は押入れの女子に気付いていない
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ホーム下 折畳み傘 泣いてをる 落とし主も急度きっとお困りだろう
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「潮騒の」景色を誰もが見ていたとして、同じ海に二度入れるだろうか
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実家では禁止されてた黒魔術を下宿先では日に7度撃つ
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みずからの真面目さ時に憎かりき全裸で走る夢ばかり見る
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片手撫でこの指先で数え得る残余の生を思う濡れ葉に
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皆鳳雛かいほうすう  うずだか積めよ  志 枯れぬ新緑しんりょく 目指せや夏を
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幸せはそろりそろりとやってくる 様子うかがう子猫のように
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悲しみは比較ではなく聖性であなたも私も受け入れられる
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