前足でシャッターチャンス蹴散らしてねこはいつでもとびだしていく
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分かたれた血の意味を知る花一輪うまく言葉にできない代わり
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ポピーだけポッケに挿してポエットなポーズできみをポルカに誘う
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逢うだけの2時間半を過ごしても サイゼで食べるドリアは美味しい
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チャリ坂を ランランのぼる フツーの日 あすは知れない ちきゅうといのち
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六月に八十三なる母親の介護できない娘の不安
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旧友をSNSでふと見つく知らない世界を君は生きてた
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おどおどと おびえているよう いわれてて あらためられた わがやのきょういく(社会で子育て)
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ぷかぷかとプールサイドのプリンスはプラスチックのプライドを捨て
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思い出の品が誰かの思い出の為に旅立つフリマアプリよ
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風薫る散歩道ゆく車椅子 祖母の手触れし紫の花
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真夜中に初上陸の北九州呑みに行けない明日立ち合い
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花粉明け待ち続けてた布団干しそろそろいいと今晴れを待つ
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ブリタの浄水器がまるで砂時計みたいに私の暮らしを急かす
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貰われないマンションのチラシ貰えないボクの見た目と俺の気持ち
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忙しく 会えない時間が増えるにつれ 不安に駆られる歳の差の溝
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ことわりと無常の風が凪いでいた朱塗りの城と琉球の海
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コンペ前ゴルフ漫画を読み漁る 上手くなった気になる不思議
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会社辞め海が見たいと出掛けたが観光地ではひたれなかった
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なかよしの雀に餌をやる夫の背のいつしら僅かな丸みをおびる
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居眠りの間に世界が終わっててあわててつくりなおす神様
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娑婆に棲む 百鬼夜行を バッサバサ 刃こぼれの数と やぶれた皮ふ / 自己免疫
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明けてゆく漁港は船のエンジンとカモメとトンビの共鳴で目覚む
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負け戦 わかってるのに伝えたのは 唯の自己満 「ごめん」が聞きたい
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夜風には若葉の匂い溶け出してひたひたひたと夏は近づく
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寝ないうち鳥鳴きだしてしらじらと夜逃げてゆく戻っちゃこない
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コンクリの段腰掛けて角曲がり出てゆく猫のしっぽ見ている
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電柱と石油のタンク消えかけた横断歩道右折目印
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照らされて風に吹かれてさわさわと佇んでいる鳥が鳴いてる
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戸を開けて浸る空気の芳しさなにとなになになにを混ぜたの
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