生きるとは 思う如くに 動けぬと  ゴミ袋持ち 朝の挨拶
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ねぇあなた こういう時は 身構える  今どきあなたと 云う髪はなく
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雨匂う 墨も薄まり 日が昇る  髪は涅槃の 菩薩如きに
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体重を 測定しとった じいさんの 「オレってなんぼ?」に 思わず吹いた
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四度だけ寝ればパパには会えるのよ そう諭す君目を赤くして
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前線が空を画して明瞭に 此岸と彼岸を隔てるごとく
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肌寒し雨天日の居間 ホットティーマグに触れ 指先温まり
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大空に 大鷹おおたかの舞う 夢を見て 腰は痛いが 心晴れやか
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雨空に西高東低と聞けば間もなくだろと気も滅入る朝
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ふるさとの妹からの豊の秋 赤い柿食む陽だまりのなか
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ベタベタの スマートフォンを わたされて 上司に代わって 説明する俺
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いつにする? 離婚届を 出す日にち もう決めてます ポッキーの日に
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鳥渡る 諏訪湖の水辺賑わかせ冬を遊べや春帰るまで
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立冬に 立ちのぼる湯気ヒュウヒュウと まな板の音朝餉の味噌汁 
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「パソコンの操作は進化できません」デジタルだけはシーラカンスで
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待っててねいつか私もそこにゆくそしたら笑ってどうか褒めてね
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ストレスは「だけじゃ食えない」スパイスでブラックペッパーみたいなものね
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公式に あてはまらない 恋をして 正式に結ばれて 別れる
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おやすみと ねこたちをなで スリスリし ストレッチする やっと寝られる
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あめのひは ねこも ぽやんと・まいぺーす みならいたいね 「ねむいときはねる」
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きみにだけ見せた一話のドキドキを今も探して作家になった
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クラウドと同期できない夏のきみ 指の脂で画面が曇る
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夜桜よざくらを 煌々こうこうらし かお見上みあげ ふとしたけば 水面みなも絢爛けんらん
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不定形の不安をくるみ封をしてレターパックよ元気をおくれ
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星座血液型渥美さんと一緒でたまらんマドンナあっしよ
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孤独には人は勝てない事もある何も残さず死んだ若者
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どことなく春風に似ているようで似ていない秋の風の匂い
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田舎町にトパーズ色の光差す夕焼けチャイムの「恋は水色」
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窓を這う梅雨の残りが鬱を刺す 雷鳴の先 行方知れずだ
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あの夏も 枕についたあのシミも 瞬きにすら満たぬ虚空か
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