分け入れば分け入るほどに遭難の確率が高まる青い山
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11時30分のああ眠いねむたいねむたいあーねみゅたい
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灰の空煙るそよ風を裂く白の旅客機が降りた向こうに行った
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ぶっ壊せ 垣根を越えて やり遂げろ 限界なんか ただの妄想
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君亡きに結婚記念日今更か織姫牽牛かえりみる
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氷片に歯形をつけてさようなら また会いましょう 元気でいてね
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役割を授かることなき虫どもは膝を抱えて枇杷の胎中
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ががんぼの四肢のぬけがら流れてく 蛇口を閉める 汗・声・笑顔
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外は雨 耳をすませば 蝉の声 まぶたの裏には まだ桜の花
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五月雨の 合間あいまは君を 思うとき 思いあふれて また涙雨
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スタッフロールの寂しさの、のち、春の雪
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ふと思ふ会わぬ時ほど心には貴方がゐたり今日も晴れ空
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やりとりが途切れぬようにしたいから少し焦らして返信す、愛
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情報は、しかし溢れた方がいい われらを未来へ押し流すほど
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なにもかも忘れていいよかぐわしき甘き香りの梔子くちなしがいう
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汗ばんだジョッキを拭う指先に再会できた2年目の夏
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初恋が締めつける胸の痛みには程遠く 気圧に弱い頭
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むかしむかしから始まって結ばれぬ恋の確かなめでたしめでたし
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野心あり 敵は社長と いう名前 外堀を埋め 中央突破
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生活に メリハリつける 余裕あり 熟練者かな 齢を重ね
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失明の 恐怖のため 笑えない 眼科検診 運命の日々
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存在を 確かめるため 勇み立ち 神の御心 成し遂げし今日 
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ぼくの中 渦巻くうたや 言葉らが この血とともに 消えますように
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1440分の浪費でも君といたいと思う夕暮れ
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高温と長雨で庭のヒメジオン2乗2乗に増える梅雨かな
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早上がりなのかな子らは晴れ間見て二人鞦韆漕ぐ夕泥み
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一瞬の雨の間に風運び来る祭囃子か高き笛の音
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寝過ごしてふと目の覚めて外は暮れ放課後一人小さな旅かな
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梅仕事重石を重ね一休み梅雨前線の真下の私
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ミラノ風ドリアの匂いのその中を 飛び交う天使ここはサイゼリヤ天国
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