支援者か当事者なのかわからないあわいをそっと切り出して見る
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別れ際伝えたいこと絡まって右手が気づくポケットの穴
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ゆふぞらにはつかに見えし半月のおぼつかなくも思ふころかな
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どしゃ降りで『私はこれでもいいですよ』妻と部屋飲み 結婚記念日
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夏の恋シュールで少し儚くて放っておけば花火のように
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太陽の日差しをいっぱい浴びたからあなたの好きな向日葵になる
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新盆に 集いて交わす 想い酒 伯父の横顔 亡父を見る
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夕立て 蒸せるよしずで 雨宿り 雫かわして 見上げれば蝉
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亡き父を 慕いて巡る 故郷の 南風(まじ)空光り 浮かぶ眼差し
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ヒジキ刈る 凍えた母の 指に見た 深黒きシワ 温き御心
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ノーマン父の想いも知らぬ子に殉死を選び明治の武士かな
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しあわせになるのが下手な僕たちは惰性で生きて慣性で死ぬ
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本当に世界はひっくり返るんだ 君に恋したただそれだけで
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この夏をどう過ごすのかは自由です君は君のため僕は僕のため
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あの人に「忘れない。」って言ってきた言ったとたんに溢れた涙
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うたた寝に落ちた手を抜けシャーペンの自由な動き一秒二秒
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搭乗者名簿のなまへカタカナによみあげられて熱帯夜更く
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恥ずかしくなるほど寂しいあの頃のわたしは過去で撮れるのは「今」
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「いいね!」規制されるぐらいに「いいね!」するあなた あなたの心がいいね!
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いつからか夏は巨大な敵となりウルトラマンの中身もやられ
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美しいまま空っぽになれたなら金魚の目玉のような空っぽ
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誓ふなと主は言ひしゆゑ誓はずにともにくらしてはたとせあまり
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暴力を嘆き哀しむ連帯を やられたけれどやり返したくない
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蝉時雨せみしぐれ立ち渦巻きて響きおり幹を洗いて一瞬止まる
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神様に懺悔をしたい人達が一人ずつ乗り込む観覧車
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表現できる喜びを 表現できない哀しみを
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暴力哀しむ連帯を 暴力嘆く連帯を
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汚染水すてどころなき虫のこゑけものらのこゑうろくづのこゑ
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新鮮な野菜みたいに愛されてほほえむ夜のシナモロールよ
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‪空気って読むものでなく吸うもんだ 息苦しいっておかしくないか‬
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