涙一つ皆で流せば谷戸に湧く 善なる如く心が晴れる
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綺麗だね私の歯形のキリトリセン マシュマロみたいにかさかさの肌
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綺麗なもの全てガラス玉だったなら 君の魂ラムネに入れたい
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海の香り死臭だからね嫌いなの これも怨嗟かな新芽の匂い
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人類を憎む理由が欲しくって 絶滅種らの最期を想う
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ぼぼんぼんぼんアボンボンンモーんぼんぼん
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いつの日か私の時間ときが止まるとき貴方は誰と共に生きるの
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新しい靴を買おうとしたけれど馴染んだボロがまだ捨てられない
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陳腐なら 陳腐の中の 陳腐こそ この世で稀に 価値のあるもの
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仙人掌のお花が咲いてこの部屋はいつか来る日のお別れを知る
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珈琲に氷を入れて十数分やっぱり君にはミルクが似合う
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アニョハセヨ オラコモエスタス ボンジュール ブエノスディアス ごきげんいかが?
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休みの日 気がつけばほら 日が落ちて 洗濯すらも できてないねぇ
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終わりなき踊りのガリアふたりきりじゃ知らないふりができないなにか
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通知待つ あなたからきた 違ったわ いつまでこうして やきもきさせるの
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残り香と 煙くゆりし このときが 続かなければ 永遠になる
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触れたことすらない皮膚に噛み跡をつける想像ばかりしている
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二時間は一緒にいられます趣味を映画と言っておいてよかった
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穢土なれどうつくしきかな風わたるあをばわかばのけやきの並木
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父とゆく高知の港で釣りをして 1匹も釣れず夕風が染む
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小説の主人公の名前をば決めるところで筆が止まってる
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「『キライ』って『気に入らない』の略なのかなぁ」「そんなことより、好きなものお食べ」
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やらなければならぬことがあるけれど、気が乗らないので小説読みます。
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将来も人間性も捨てるから この恋だけは持っててもいい?
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賑やか士だった生命たちだって明日にはもっと絶望したい
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はじまりの一歩は少しくすぐったいこの感覚を忘れずにいたい
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レポートに取り掛かろうと本棚の『吾輩は猫である』を手に取る
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いただきます食卓の上にたどり着く消えた命の数をかぞえる
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写真つき図鑑の埃、初夏をはつなつと呼ぶことのすくなさ
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つまらない夫婦喧嘩の翌朝の「りんご剥いて」は「ごめん」の代わり
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