あなたから思いもかけず花束を 天気はいつも三寒四温
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レンドルミン ビタトレールに マイスリー 眠たくなるのを あとは待つだけ
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何がそれ 大事なのかと 相問ひし 気圏に生くる ひとの哀しさ
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大嫌い。行けたら行くって、雑返事。 それしか言えない、今がその時。
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夜八時 ボーナス・タイムの ランデヴー 立待月は 目覚めたばかり
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列を成す、子供等の傘クルクルと。 雪降るリズムに合わせる輪舞曲ロンド
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僕にとり祝福された産声は十六年の歴史となりて
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月よりも 街の灯りが 眩しくて 刹那だからな ひとの営み
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ここにいる わたしはここにいるのだと 叫び続ける まっくらな森
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目が合って、好きだと気付き思い出す。 私にはまだ、恋があったと。
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ふと、父の 声聞いたよな、京王線。 涙よ勝手に流れてくれるな。
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2と0と2と1たちが踊ってる 僕はどこかに置き去りだった
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死ねないな 遺言になるかっこいい 歌がひとつも 作れてないから
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はらわたが痒くて腹を掻き切ったクランケのいるイチマルニ号
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泡沫の意味が膨らむ空間で泡沫を詠むことの困難
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こだわりは今出さなくていいんだよ。 君の美学はどうでもいいよ。
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きっとまた この身を裂かれるのだろう そのかけらから 歌が生まれる
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君は言う「呪いと恋は似ている」と 憂う瞳に映る満月
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衣剥ぎ私がわたしになる時 生せいの香りがわかるのかしら
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回転やゆらぎをうたうあの人も夜には暗くうずくまるのか
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透明なスマホケースにメモ書きの付箋がはさまれ二日ふつかが経過
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君にどう思われるかは知らないが、私、抜き身の刃物でいたい
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ここがいい。知らない場所や流行より。 私にとっては全てがある部屋。
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試験まで日めくりたちが追い立てて切り傷だらけの一月下旬
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血塗れの指でしか触れられぬもの 「愛することをお前に赦す」
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凍てついた自省の夜に息殺すどう足掻いても痛む胃の腑は
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生き返りハンドルネームを変える度だいたいおんなじ人生になる
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無償の愛など持ち得ると思ったか 人間ひとだってこと思い出したか
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制服の胸ポケットにバタフライ使わずにいる善し悪しは別
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君の過去許してあげて温かいココアが冷めてしまわぬうちに
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