踏切が、降りて開かるる兆しなく。ささくれを剥き、毛玉を毟る。
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智恵子抄  無機質となり、元素となり、昇天しつる、高村のひと
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壁紙の宇宙を見ては 息をするもの 恋しくて 加湿器を買い
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ただ君と暮らしたいんだ冬の虹引っ越し日浮足立って電話する→ ←家賃折半五万以下なら鍵はこの中野球を観よう
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雨音を聞きたくなくて流してるラジオが歌う「明日も雨です」
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改札に君が居るのを期待する。 でもね、居ないと少し、ほっとする。
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愛の字が上手く書けぬと言っていたあの子は愛を知っただろうか
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稲こぎの農業小学校は本の中 皆々喜ぶ仕舞いの挿し絵 
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天秤が傾き欲は溢れだす 僕はあくまで君を食べたい
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君という英雄に幸あれ 僕は行く燃え尽きるまで
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IHアイエイチふむ なるほどね 主婦はみな愛と叡智で家族支えて
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ひとの世を 一から無限に 並べたて 充足可能を 質すただ 何某
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ストーブの前が定位置、心地良い。 わざわざ恋など、するもんじゃない。
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自分との約束の木は知らぬ間にたくさんの実を結んだのです
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文具屋で試し書きする あ あ あ あ あ ふられたよ僕 あああ泣きそう
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「本当」がいつ混じってもいいように 少し多めに入れておく嘘
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君がため 長長し夜を しのぶれど 海辺の道の まつの静けさ
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雷鳥を 隠して走る 銀世界 ふりゆく時の 過ぎしまにまに
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しにたいと言えばあなたは泣くだろう 泣くだろうからしぬまで言わない
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部屋籠もり会話無くなり思い出す我の声帯機能するかな
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どろどろのココアみたいな感情に溺れさせるの上手いね、あなた
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アオトバーン百度女と会ひたれば今に死ぬるをわれ厭はざれ
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異化効果【イクヮカウクヮ】重ねても彼氏彼女になれずに二月
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久住さん、なにかいいことありました? SNICKERS スニッカーズを食べているだけ
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躁なれば捨つるも楽しプリントのパリンと折られ鳴る小気味よさ
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ていねいなくらし なんかは程遠くポッケで握りしめる500
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この歌はお前とお前がその昔仄かに浮かべた笑みに捧ごう
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俺と見た景色をそのまま切り取って小瓶で流す手の清らかさ
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ゆびさきのきれいなビームを逃してもフリースローが決まったズーム
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或ひは唯 惑ひゆきたし 落葉松からまつの林の香気  肺沁むひかり
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