梅ヶ香になにはのことや思ひ出づる高津の宮に霞む月影
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月からも見えてるような校庭のテニスコートにボールがひとつ
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君の親指なくても平気よ綺麗に拭える涙もリップも
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うたた寝の満員電車ガタゴトと不意に広がる湘南の海
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吾が肩に枕し眠るめぐき猫かひなを伸ばし頬に触れくる
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真冬日の猫の重みとぬくもりと布団の中でとろけたからだ
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手綱持ち鞍に跨り鎧踏むはぎに感ずる愛しきみ駒
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春雨のあとに洗車機つらなりてピカピカにしても傷は消えざり
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季節では冬が好きだと君は言う 足が腫れても些細なことと
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洋さんが好きだと君が言ったから観たんじゃないか『グッモーエビアン!』
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恋占い  結果悪けりゃ信じない 結果良くても信じられない
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ありがとう 嬉しいけれど本当は 好きだよって言って欲しい
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幼き日 母に手ひかれ街歩き 今は私が母の手をひく
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青汁とリコピンリッチ混ぜました黒にはならず不味い飲み物
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間違わない 君の口から出る「好き」は「軽くて便利」くらいの感じ
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ふよふよと花の枝先膨らみつ霞のたまご孵化まで半月
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人の子と 猫の子による 合唱会 あちらがアルト? こちらがソプラノ?
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熱いキス夢見た少女は嘘を知り プラトニックな愛がいい今日
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雨降らば霞の衣かりがねははるけき旅に思ひたつかな
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雁がねはかへりて花を惜しめばや散るをば見じと思ひたつらむ
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青春の苦みと共に立つ君へ 惜別の歌『桜めぐり』を
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布団から出る二時間は人間の形に戻す変態時間
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悲しいと思ったことを悲しいと言えないことがとても悲しい
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電柱に手足があれば電柱もたまには横になってみたいよ
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葉が落ちた木は要するにハゲだから春が来るのをきっと待ってる
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友達が来るのだろうか電線にカラスが一羽ずっと待ってる
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からみあう柿の冬えだ簡単に進むことなどありはしないと
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兄弟がかいなのなかで喧嘩する どっちも一番だから降りてよ
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鳴きわたる雁の一列ひとつら雲に入りて釣り船帰る天橋立
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おもむろに真正面から見つめられひとつの眼鏡よっつの目玉
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