始発から見おろす街だけが私の景色だから、明けないで、夜
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どんなにか美しかろう人類が滅びた跡を照らす月光
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あの魚屋只者じゃない襲われてとっさに鯛を買わしたんだよ
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Crazy about your loveなんてさあステアしないで直接ゆってよ
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高い空 響く歓声 砂ぼこり  トラック走り 駆けつけるキミ
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同じ曲ばかり聴いては飽きていく そんな愛し方しかできないけどいい?
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秋後半 なかなか見ない 紅葉よ 都会の木々は 季節わからず
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淡くとも光放ちて過ぎしことその後深き闇より知りぬ
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ご褒美はカードがいいと玩具屋へ 手作りカードは下にお下がり
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友達と笑顔で話す瞬間を気付かれぬよう隠し撮りかな
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気付いても倅は妙に澄まし顔 皆の前ではふざけないキャラ
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遠巻きのビデオ撮影全集中 中肉中背見失いがち
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他県とは一線画す赤青黄 チームの色分け山の名冠す
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感染し観戦できぬ友家族 水と見舞いを置き配の朝
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コスモスの花の言葉は色により色々あると知ったこの秋
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野分だつそなたになびく荻の穂ぞ思ひみだれてやがて伏しける
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艶々な黒髪流れるその肩に私が凭れていいものかしら
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耐えきれず涙滲んだとき君の声がどれほど嬉しかったか
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寛容なあの子は過去に諦めた事がいっぱいあるのだろうか
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「イパネマ」と「おいしい水」の違いがなあ 分からんもんで早いけど寝る
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丁字路でどちらにするか幸運が匂う気のする方ゆく散歩
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晩鐘の絵を描いている秋風に揺れる窓辺のカーテンを描き
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二度と会えない人を見送る時にだけゆっくり閉まるエレベーター
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携帯をおでこにつけて目を瞑れば君の鼓動が聞こえそうな夜
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だからってそんな言い方ないじゃんかアスファルト濡れからみつく花
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栗ご飯 下ごしらえは大変で 食べてしまえば ほんの一瞬
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水銀のような雨降るこの街で抱きしめた子が今に飛び立つ
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お義父さんあの日は確か初雪で慌てましたよ九年もなります
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どしゃぶりのバス停に立つあたし今日骨の髄までツイてないかも
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今ぞ知る時雨の後の山紅葉入り日のさらに染むるものとは
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