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優しみのナイフかざして傷つける私を罰せ赤い三日月
7
服を脱ぎ着てまた脱いで着る朝の後始末のため折り畳む夜
3
人生は引き算よりも足し算で 積み上げたいな、と今を生きる
0
故郷は遠くにありて感じられ 空気と同じ地元に住むと
0
倖せの尺度を探す四十三 子百歳まで生きたいと言い
0
夕方に洗濯物を入れる日を特別の日と思えたら吉
4
百万語費やすよりも絵と対比 平和と戦争俊太郎の眼
0
始発から見おろす街だけが私の景色だから、明けないで、夜
1
どんなにか美しかろう人類が滅びた跡を照らす月光
1
あの魚屋只者じゃない襲われてとっさに鯛を買わしたんだよ
0
Crazy about your loveなんてさあステアしないで直接ゆってよ
0
高い空 響く歓声 砂ぼこり トラック走り 駆けつけるキミ
1
同じ曲ばかり聴いては飽きていく そんな愛し方しかできないけどいい?
1
秋後半 なかなか見ない 紅葉よ 都会の木々は 季節わからず
0
淡くとも光放ちて過ぎしことその後深き闇より知りぬ
0
ご褒美はカードがいいと玩具屋へ 手作りカードは下にお下がり
0
友達と笑顔で話す瞬間を気付かれぬよう隠し撮りかな
2
気付いても倅は妙に澄まし顔 皆の前ではふざけないキャラ
0
遠巻きのビデオ撮影全集中 中肉中背見失いがち
0
他県とは一線画す赤青黄 チームの色分け山の名冠す
1
感染し観戦できぬ友家族 水と見舞いを置き配の朝
1
コスモスの花の言葉は色により色々あると知ったこの秋
0
野分だつそなたになびく荻の穂ぞ思ひみだれてやがて伏しける
0
艶々な黒髪流れるその肩に私が凭れていいものかしら
2
耐えきれず涙滲んだとき君の声がどれほど嬉しかったか
2
寛容なあの子は過去に諦めた事がいっぱいあるのだろうか
4
「イパネマ」と「おいしい水」の違いがなあ 分からんもんで早いけど寝る
0
丁字路でどちらにするか幸運が匂う気のする方ゆく散歩
6
晩鐘の絵を描いている秋風に揺れる窓辺のカーテンを描き
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二度と会えない人を見送る時にだけゆっくり閉まるエレベーター
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